2章-3-3<セクション2~①いかに良品を確保するか>
・品質確保の標準的プロセス
ここで近年、社会的な話題となってファストフードチェーンでの事例を元に、対応プロセスを確認します。なお、このプロセスは、サプライヤ品質の管理部門が主導となっておこなわれるケースが大半でしょう。しかし、社内機能不全の場合は調達・購買部門で主導して以下のプロセスを進めます。また、このプロセスを知ることは調達担当者にとって有益でしょう。
(1)現状調査
まず、なにがどのように発生しているのかを正確につかみます。調達・購買部門で問題解決を主導する場合で、社内に多くの関係者がいる場合は、事実掌握の都度、社内への周知も必要です。品質問題の解決には、社内の関連部門の協力が不可欠であり、正しく関連部門にアクションをとってもらうためにも必要です。
(2)原因調査
事実を掌握したら、次は問題の原因はどこにあったのかを探ります。発生している問題の重要度によっては、(1)~(2)に一定の時間を要する場合もあります。ここで明確にするポイントは、問題を起こしたプロセスだったり、要素(部品や材料)だったりします。
(3)問題分析
上記(2)で明らかにした原因の深掘りをします。よく目にする原因に「確認ミス」「チェックわすれ」といった理由があります。なぜ、確認をミスしたのか。あるいは、なぜチェックを忘れたのか。短絡的に「やむを得ない」としてしまうと、再発させる可能性が高くなります。
(4)解決策立案
再発させないためにはどうするかを、具体的な改善にともなって明確にします。重要度に応じて、(4)が正しくおこなわれているかどうかを調達・購買部門でも具体的に文書あるいは訪問して目視で確認して再発防止を確実にします。
どんな品質問題であっても、上記(1)~(4)を経て、はじめて再発を抑止できます。上記の(2)原因調査と(3)の問題分析の違いは、(2)は行動で(3)は意識・理解と覚えてください。行動と、意識・理解を分けるのがポイントです。こうなると「ミス」で終わらせられずに、問題の深掘りが必要となるのです。