5章5-2<セクション4~③国内サプライヤの倒産予防実務>
・決算データからサプライヤの安全度を見る方法
そして次に机上編として、決算書などからサプライヤの安全度を確認する方法について述べます。ここは難解な財務指標講座ではありません。もちろんサプライヤの決算書をいじくりまわしせば細かな数値をチェックできます。ただ、ここでは調達担当者として把握すべき単純な3ポイントを述べます。
- 最悪利益
- 赤字
- 役員報酬
この3ポイントです。まず、決算書の入手は、「サプライヤから入手する」「与信調査会社等から購入する」「官報情報を調べる」といったものです。決算は公告の義務があるものの、実際は公開していない非上場企業がほとんどです。
企業によっては、すべての取引サプライヤの決算書を、与信調査会社等から購入するケースもあります。あるいは、とくに経営危機が感じられるサプライヤのみに絞ってもかまいませんので、なんらかの手段で入手してください。
ここで話を戻し、さきほどの三つのポイントに戻します。この三つの指標を、まずは直感的に理解してください。
つまり、危なさそうなサプライヤ決算書を見るとき、「まず最悪レベルの利益を確保しているか」→それすらも確保できていない場合、「2年連続赤字になっていないか」→赤字の場合は「役員報酬を取りすぎではないか(それで赤字になっていないか)」と確認するわけです。