5章3-1<セクション2~①グローバル展開に伴う調達部門の役割>

・グローバル企業化の過程における調達・購買部門の役割

上の表は、日本企業のグローバル対応を8つのタイプに分類しています。

まず、「グローバル調達」の定義は曖昧です。さきほど「I-Rフレームワーク」を用いてグローバル化の考え方について説明しました。そして、それぞれのカテゴリごとの調達方針概要を述べました。しかし、それをより具体的に考えようとするとき、下位概念の「グローバル調達」については、聞くひとによってさまざまにわかれます。

あるひとにとっては「海外調達」ですし、違うひとにとっては「現地調達」です。あるいは先進企業では、海外調達も現地調達もなく、世界各国での調達リソースの拠点間融通をおこなっています。

ただし、「I-Rフレームワーク」でも述べたとおり、「世界各国に拠点を構え、拠点間での購入品を相互に融通し、世界最適化調達を実現させている企業(トランスナショナル戦略)」あるいは「本社が巨大な力を発揮し、本社集中で世界最適開発と、世界最適化調達を先導する企業(グローバル戦略)」だけをグローバル調達と捉えてしまうと、多くの日本企業にとって、グローバル調達は事実上困難といわざるをえません。

やや「I-Rフレームワーク」を易しく読みといて考えましょう。一般消費者向けの製品であれば、製造場所と販売地を同じくするような製販接近の考え方にもとづいたグローバー調達を目指すべきです。しかし、企業の設備投資需要をターゲットにした製品の場合は、必ずしも製販接近がベストではありません。

前出の図は、そういった、現時点では日本国内企業が取り組むグローバル調達の姿を明らかにするものです。また、国内企業がグローバル企業に発展するための調達・購買部門の採るべき施策を明らかにする図でもあります。

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