3章-4-1<セクション3~②カテゴリごとの具体的な接し方>
・取引先協力会の形骸化
ところで、読者の勤務先に取引先協力会、協力企業会といったサプライヤの集まりがあるのではないでしょうか。運営に携わっている方もいらっしゃるでしょう。また、運営せずとも、会合や懇親会に出席された方も多いはずです。私たちが調達担当者の集まりで話をしていると取引先協力会や協力企業会が形骸化していると教えてくれます。
それではなぜ取引先協力会が形骸化してしまうのでしょうか。一つの理由に、メンバーの固定化が挙げられます。固定化が形骸化へと繋がってしまうのは、取引先協力会のメンバーと、サプライヤとしての今日的な重要度にギャップが生じているからです。取引先協力会の運営には、そのメンバーをどのように選ぶかが大きなテーマです。
優秀なサプライヤが「重要サプライヤ」と認定されるまではよいものの、それらサプライヤが取引先協力会のメンバーも兼ね、さらには既得権益化するのは避けなければなりません。
一つの手段としては、取引先協力会を解散してしまえば良いでしょう。しかし、いきなり解散するのも難しいのも事実。その場合は、現実的解決策としては、協力会を残しつつも冷静に「重要サプライヤ」を吟味しつつ、協力会運営をサプライヤマネジメントの実践からは切り離して考えるべきでしょう。
すくなくとも、協力会サプライヤだから発注をするのではなく、冷静に評価のうえ「重要サプライヤ」認定には協力会参加有無を人情的に考慮しないクールさが必要です。ただ、もちろん協力会サプライヤは関係性が濃いのは事実でしょうから、よりよい関係を目指すことも(本来であれば)可能なはずです。