3章-3-2<セクション2~①サプライヤの具体的カテゴリわけ>

区別したサプライヤへのカテゴリごとの基本的な方針

(1)重要サプライヤ

重要サプライヤは、その対応によるバイヤー企業への影響も大きくなります。バイヤー企業の意向をより多く受けいれるサプライヤでなければなりません。そのために、現在の受注状況や、短期的見通しだけでなく、中長期的な戦略まで共有します。そのうえで、サプライヤにも他の顧客と区別し、優先した対応を求めます。

対象となるサプライヤには、バイヤー企業として重要視していると明言します。調達・購買部門のトップと、サプライヤ営業部門のトップのコミュニケーションを通じて意志の疎通を図ります。バイヤー企業側からの情報提供も、その方法や内容を他のサプライヤとは区別しておこないます。コミュニケーションを密にして、双方の戦略を共有し、方針のミスマッチを抑止します。

 

(2)一般サプライヤ

重要と区別されなかったサプライヤは、すべてこのカテゴリのサプライヤになります。購入に必要な情報提供はおこなうものの、バイヤー企業側の都合を一方的に周知する形態が多くなります。しかし、一般サプライヤの中には、将来的な重要サプライヤが潜んでいる場合もあります。新しい重要サプライヤの存在を察知するための最低限の情報収集と、コミュニケーションは確保します。効率的なコミュニケーションの実践がキーとなるサプライヤです。

 

そして、ここで、カテゴリごとのサプライヤについて、自社の上位者まで共通認識を持つことが大切です。バイヤー企業側で上位者から担当者まで共通認識を持てるかどうかは、サプライヤマネジメントそのものの成否に大きく影響します。同じ認識がなければ、その先の行動に整合性は生まれません。

特に、過去に調達・購買部門で実務をおこなっていた上位者は、過去みずから担当していたサプライヤの存在があり、そこには上位者の過去の人間関係が存在します。この関係・結びつきと、区別したサプライヤの結果に違いがある場合には、特に注意します。

この点は、一見すると他愛のない話かもしれませんし、いわゆる日本的な話かもしれません。しかし、そういった過去の関係にすがるサプライヤが存在することも事実です。具体的な注意の方法としては、上位者の過去の経験に根ざした認識を否定せず、現在進行形でサプライヤを評価した根拠を明確にすることです。

上位者には現状のサプライヤランキングを認識してもらいます。これ以降のサプライヤマネジメントに上位者が阻害要因とならないために必要な配慮です。

そしてそのうえで、区別したサプライヤになにを求めるのか、得ることができる成果を再確認しつつ、接していかねばなりません。

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