3章-4-10<セクション3~②カテゴリごとの具体的な接し方>

・カテゴリごとのサプライヤとの具体的な接し方「一般サプライヤ」編

次に一般サプライヤとの接し方です。たとえば、ある一般サプライヤとは人間関係は構築できている、しかし、自社への貢献度合いは減少傾向である一般サプライヤを考えてみます。もちろん、一般サプライヤだからといって、それまで培った関係を壊すわけではありません。

上図は、取引のあるサプライヤを二つに区別した場合を想定しています。ここまでの文脈でいうと、「重要サプライヤ」「一般サプライヤ」と読み替えてください。

これまた前述のとおり、この区別は固定化するものではありません。事業を進めるうえで、かならず訪れる変化によって、サプライヤも柔軟に変化させる必要があります。

したがって、難しくはあるものの、こういった区別にともなう影響を極力少なくしなければなりません。

バイヤー企業が魅力的であればあるほどに、一般サプライヤへの負のインパクトは大きくなります。ここで、双方の将来の糧にするためには、次のアクションが必要です。

 

1. 一般サプライヤとみなした理由の説明

バイヤー企業側には、サプライヤのパフォーマンスや自社への貢献度が下がったとの明確な根拠があるはずです。これまでの貢献に感謝の念も含め、数値と共に理由を伝え、理解を求めます。これには、あるていど時間を費やすことも必要です。また、サプライヤマネジメント上、区別をしなくなっただけであって、これまでの取引関係は継続することは、必ず明確に伝えます。

 

2. 今後の取引について認識の共通化

根拠は数値ですから、数値がなぜそのように推移したのか、その背景もあわせ調達担当者からサプライヤの担当者に伝えます。そして、今後どのようにしていくかをかならず話し合います。

 

このようなアクションをする理由は、取引によって構築したサプライヤとの関係は、ひとつの大きな財産だからです。現時点で、一般サプライヤとみなしているだけです。

繰り返したとおり、ビジネス上の判断・意志決定は、おこなった瞬間から陳腐化が起こります。ただし、評価をしなければ現時点の実情もわかりません。むしろ、評価を繰り返すなかで、最終的に進むべき道を同じくする真のパートナーと呼べるサプライヤを見いだすこともできると“信じる”ほかありません。

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