3章-4-9<セクション3~②カテゴリごとの具体的な接し方>
2. モノ
これは、サプライヤから提供を受けるモノ、サービスが該当します。そこで調達担当者としては、これから調達することになる製品等の目標コストや、調達施策を説明し合意を取り付けておきましょう。評価の結果、同業の他のサプライヤと比較して、明確な優位性をもっているはずですし、もっていなければなりません。
さらに、ここでは貪欲に、コスト+αの優位性の確保に向けたサプライヤへの働きかけをおこないます。コストだけに留まることなく、QCDD全般へ目を配ります。
これまた異論があるでしょうが、協業にともなう発生費用については、積極的に支払うことも検討すべきです。たとえば、自社向け製品にのみ使う設備を導入するときなどは、別途払いか製品上乗せかは別としても、必要コストと割り切る必要性もあります。
もちろん、支払額が適切であるかどうかは吟味します。しかし、多額の費用をサプライヤのみに負担させ、さまざまな取り組みを阻害してしまってはいけません。
また、詳しくは次章以降で説明するものの、サプライヤがどのていど儲けているか、どのくらい利益を稼いでいるかについても関心を持たなければなりません。事業を進めるうえでは、サプライヤにも適切な利益が必要です。重要なのは「適切さ」です。ボロ儲けでなく、サプライヤとバイヤー企業の双方で適度な利益の確保を実現することです。
3. 情報
ヒトの箇所でも少し触れました。しっかりとした機密保持契約を締結したうえで、技術開発や商品企画に関して、サプライヤに関係する部分を開示するのです。他のサプライヤに先んじて知ることで、サプライヤの事業運営にメリットをもたらします。
このような機能戦略レベルでの共有を進め、再度、サプライヤのパフォーマンスを評価し向上度合いをチェックします。サプライヤマネジメントに終わりはありませんから、毎年の確認とそして重要サプライヤの入れ替えなどによって、強固なサプライチェーン構造を志向していきましょう。