3章-4-3<セクション3~②カテゴリごとの具体的な接し方>

・サプライヤミーティングの三つの形

サプライヤミーティングには基本的に三つの形があります。

1. 定期開催

2. 都度一斉招集開催

3. 個別開催

これらをそれぞれ説明していきます。

 

1. 定期開催

  • 開催頻度:最低一回/年
  • 開催時期:年度末の遅くとも3ヶ月前
  • 開催目的:次年度の方針の伝達と共有
  • 招集対象:「重要サプライヤ」+α(協力会サプライヤや特殊事情をもつサプライヤ)
  • 開催内容(例、製造業の場合の周知する内容)

(1) 当年度と翌年度の売上見通し

(2) 技術開発動向・ロードマップ

(3) サプライヤ評価結果の傾向と、翌年の課題の提示

(4) 調達・購買戦略にもとづいた翌年度の活動

これは、サプライヤミーティングの軸になる形です。新年度に際しての事業戦略にもとづいた調達・購買戦略を「区別」したサプライヤとの共有を目的にした場です。

あまり開催頻度を多くしすぎても、ミーティングで伝えるコンテンツ内容の品質維持が困難です。したがって、年一回もしくは多くても二回(上期・下期)開催で良いでしょう。ポイントは開催時期です。

「開催時期:年度末の遅くとも3ヶ月前」としたので、「少し早すぎやしないか」とお感じになられたかもしれません。この開催時期は重要です。特に、自社の属する業界で、サプライチェーンの上位の階層に位置する(大手企業、親会社)のであれば、なおさらです。

4月に新年度が開始されるのであれば、遅くとも1月の中旬までには開催し、次年度の方針をサプライヤへと伝える必要があります。これは、自社の方針をサプライヤの次年度の計画に反映し、要すれば予算処置も合わせて検討してもらうためです。タイミングを逸することで、サプライヤ側の計画とバイヤー企業側の意向のミスマッチは、実行の停滞に繋がります。大きな機会損失へと繋がります。

もちろん、このタイミングでの開催は、調達・購買部門に大きな負荷がかかります。というのも、新年度開始の三ヶ月前とは、バイヤー企業側も次年度の様々な計画の策定段階にあるためです。まして、調達・購買戦略は他部門の戦略により大きな影響を受けます。

しかし、そういった過程であることを踏まえた情報共有で良いのです。経済環境によっては、昨日までの正解も今日は間違いに変わります。不確定だから情報共有をおこなわないのでなく、不確定要素まで含め共有する姿勢が、サプライヤマネジメントには重要です。

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