2章-8-1<セクション7~コラム『CMIへの回帰』>

さて、このところ3Dプリンターが注目されています。これは3D-CADデータを元に立体物を造形する機器です。いまのところプラスティック成形(ゴム製品含む)がメインであり、プラスティックを積層するもの、プラスティックブロックを削り出すものがあります。今後は、プラスティック以外の素材にも広がっていきます。

さて、この3Dプリンター技術はあくまで少量品対応であり、試作品などには使えても、多量生産には向きません。やはり多量生産であれば金型をつかったほうがコスト的にも生産効率的にも優っているからです。

しかし、3Dプリンターが安価になり、かつ3Dプリンターの生産スピードがアップすれば、この説明も時代遅れになる可能性があります。

というのも、3Dプリンターは個人のものづくりを実現させる有効なツールであることは間違いなく、多くの企業が3Dプリンター領域に参入しています。新規参入が促されることで、これまでは考えられなかった価格が実現しつつあります。

行き着く先として、生産がすべて3Dプリンターに置き換えられたらどうなるでしょう。そうなると、これまでの構造が崩れます。サプライヤはこれから、製品を供給するのではなく、製品データのみを供給する役割となります。

サプライヤは製品データ(3D-CADデータ)を送付し、そして終わり。もちろん製品の品質保証(図面上の品質保証)や機能保証のみを行い、生産自体は3Dプリンターの据え付けられたバイヤー企業内工場が行います。ここで、「必要なときに必要な数量を納入いただくJIT(ジャストインタイム)納入」ではなく「必要なときに必要な数量を生産するJIT(ジャストインタイム)生産」が実現するのです。

これはCMI(カスタマーマネージドインベントリー)への回帰といっても良いはずです。あるいは、新たなCMIのはじまりといっても良いでしょう。CMI2.0(Two Point Zero)と呼ぶ人もいます。

在庫というものは基本的に悪として、さまざまな効率化案がでてきました。その終着点がCMI2.0かはわかりません。ただ、これ以降もさまざまな在庫削減策が繰り出されることでしょう。

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