1章-7<セクション5~コラム『新たなコストダウン施策』>

このところ、「順位配分競争方式」なるコストダウン施策が登場しています。

図を見てください。この方式の特徴は、「コスト安価」と「安定調達」両方を志向するものです。具体的には「一社だけに発注しますよ」と宣言するのではなく、むしろ「シェアを配分します」と宣言したうえでの競争なのです。ただし、もっとも安価なサプライヤにはシェアをかなり多めにするとして徹底的に競争はします。

例では、サプライヤAが見積書価格1億円ともっとも高く、発注シェアを70%とします。もちろんこの70%は,80%でもかまいません。ポイントはイニシアティブをつけることです。

さらに肝要なのは、おなじく例でいうと、

  • サプライヤA:70%
  • サプライヤB:5%
  • サプライヤC:25%

でわけたうえで、「可能であれば合意のもと全社1億円で契約を締結し調達」するところです。もちろん、他社価格をそのまま提示するわけにはいきませんので、調達担当者は「目標価格」として提示する必要はあります。が、こうすることによって、三社のマルチソース(配分)が可能となります。

もちろん、これは現実にあてはめようとするとたやすくはありません。が、この手段は理屈としてはありえます。細かなところでは、5%しかシェアのないサプライヤはむしろ値上げを申請するのでは、とか、完全に代替できるものではないと難しいのではないか、とか、いろいろとあるでしょう。ただ、手法の一つとして、昨今よく目にする単語の解説でした。

とはいえ、代替可能な材について、3社分散調達が可能なメリットは大きいはずです。自社への応用を考えてみる価値はあるでしょう。

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