1章-6-9<セクション4~セオリー③長期的:正しい集中/分散調達を実行する>

(2)集中購買と分散購買の使い分け

集中購買が実現した後、調達担当者が取り組むべき課題は、集中購買を実現するまでに複数のサプライヤが競って生まれた緊張感の維持です。もっとも重要なのは、集中購買を実現させる過程で獲得した、調達・購買部門がフリーハンドでサプライヤを選定できる状態の維持です。

上図では、もっともシンプルな対処方法として「集中購買を実現した瞬間から、次なる分散購買の準備を始める」をグラフで示しました。集中した状態が未来永劫も最適であるとの保証はありません。集中購買を実現して、発注をまとめたからには、従来よりも高いレベルの要求をサプライヤにおこなって、獲得しつづけなければなりません。集中購買を実現させる過程だけでなく、集中化を実現した後もより大きなメリットの獲得を求め続けなければならないのです。

集中・分散サイクルの期間に、傾向や代表的なルールはありません。著者の経験から申し上げれば、集中購買が実現した瞬間から、集中したスキームには陳腐化が始まります。これは分散購買にしても同じです。したがって、集中化が実現した瞬間から分散化への準備を始め、分散化したら次なる集中化のタイミングを模索します。ポイントは、集中化でも分散化でも、調達・購買部門の調達担当者が発注先を自由に決定できる状態を保つ点です。

現在は製品機能のキーコンポーネンツや、製品の核になる原材料には、集中せざるをえないサプライヤが多いかもしれません。だからこそ、調達・購買部門として調達担当者として、発注先を自由に選定できる状態を確保し、維持する取り組みは極めて重要なのです。

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