2章-6-2<セクション5~④いかに効率的にモノの納期調整をおこなうか>

・納期の遅延原因あれこれ

さて、そのような原因追求をしたとします。一般的には納期が遅れる原因はなんでしょうか。三つの分類ができます。

(1)バイヤー企業責任のもの

(2)サプライヤ責任のもの

(3)地震災害などの環境リスクにかかわるもの

それらにしたがって次のような項目を分類してみます。

  • リードタイム的に無理のある発注……(1)
  • 支給材料や支給部品の提供遅れ……(1)
  • 自社生産計画の急な変更による数量増加(減少)……(1)
  • 仕様の急な変更……(1)
  • 設備の故障等……(2)
  • 人員の欠如……(2)
  • 無理のある生産計画の計画と失敗……(2)
  • 設備能力不足……(2)
  • 自然災害……(3)
  • 政治問題……(3)
  • 経済破綻……(3)

もちろん他にも分類はできるでしょうが、上記のような代表例があげられます。前述のとおり、調達担当者として重要なのは自分が発注する部品のリードタイムをまずは把握することです。

さらに理想的には、すべての部品の工程表をサプライヤと確認して、リードタイムの適正性を確認します。QC工程表などを用いて、不用意に長めのリードタイムをサプライヤが設定していないかチェックするのです。ある製品を調達するときに最適なリードタイムは100日なのか10日なのか、自分なりに理解することが重要です。

そして、部材の調達スタート時には、生産管理部門等の社内にその調達リードタイムをあらためて伝達しておき、そのリードタイムを確保して注文するように促します。もちろん、そのリードタイムが確保されるかは別問題です。しかし、少なくとも、調達・購買サイドが適正リードタイムを把握したうえで納期調整するのか、あるいはやみくもに納期調整するのかは意味が異なります。それに、適正なリードタイムをしっかり説明できるようにしておけば、責任を転嫁されることもありません。

この適正なリードタイムを決定するときに、社内を巻き込むかどうかで調達の成功/失敗の大半は決まります。調達担当者はQC工程表を読み解くプロではないケースが多々ありますから、そのときは社内の叡智を借用しましょう。また、このリードタイムを守っておけば、納入遅延案件は減少します。

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