2章-4-3<セクション3~②いかに効率的に発注をおこなうか>

・サプライヤにも存在する生産計画を知る

そこでサプライヤについて、よりつっこんだ調査が必要です。具体的には、サプライヤが持つ生産能力や標準リードタイムは、適切な生産計画をつくるために必要な情報となります。生産管理部門は調達・購買部門の前工程と位置づけられますが、適切な生産計画がつくられるためには調達・購買部門に集約されたサプライヤ情報をフィードバックも重要です。調達担当者にとって生産管理の仕組みを学ぶ目的は、自社の仕組み理解と、サプライヤの仕組み理解と2面性があります。生産計画には企業ごとに独自のノウハウにもとづいた特徴が存在します。しかし、「生産に必要なあらゆるリソースを同期(時間的に一致)させ、生産へ投入するための管理」は普遍的なもので企業ごとに違いはありません。まず、生産計画が作られるまでのプロセスを理解します。そして、生産計画の知識を活用してサプライヤから提示されたリードタイムの妥当性を、確認します。こちらが希望するリードタイムと、サプライヤの回答に差が生じる場合は、どのプロセスに問題があるのかを見極め、リードタイムを短縮する活動にも、この生産管理の知識は活用できるのです。

サプライヤの生産管理方法は、営業パーソンに説明を求めるのと同時に、工場を訪問した際に、担当者からヒアリングをおこないます。訪問したサプライヤに注文書を発行しているわけですから、その注文書がサプライヤの営業部門で受領されてからの具体的なプロセスの説明を求めます。ヒアリングのポイントは、

  • 各プロセスの実行タイミング(都度か、決まっているか、決まっていれば日次、週次、月次のいずれか
  • 各プロセスの所要時間(日数)
  • 各プロセスのアウトプット

の3点です。この各項目を確認した上で、バイヤー企業の発注内容の変更依頼への許容レベルを確認します。例えば、納期繰り上げや仕様変更といった頻出の変更依頼をバイヤー企業がおこなった場合のサプライヤの対応方法を確認します。これは、加工の種類や組立て手順のプロセスではなく、バイヤー企業から提示された情報が、サプライヤ内で、どんな部門によって、どんな処理がおこなわれ、最終的な購入が実現するのか、そのプロセス理解が目的です。調達・購買部門のサプライヤへのアウトプットは注文書であり、記載された情報がサプライヤでどのように利用されるのかを理解します。

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