1章-5-1<セクション3~セオリー②中期的:対抗サプライヤを探す>

あえていえば、コストダウンの肝要は、サプライヤを“揺さぶる”ことにあります。特定のサプライヤに独占的に発注していたとしても、定期的な見直しや評価がなければ、誰だってその地位に安住してしまい、コスト硬直性を露わしはじめます。特定サプライヤへの集中は関係性向上の観点からふさわしいものの、やはり、調達担当者側の望まない、やむを得ないシングルソース状態は、できる限り避けなければなりません。いっぽうでは新規サプライヤ発掘も大切です。

サプライヤの開拓は、次の五つのプロセスでおこないます。

①探索

具体的な検索方法としては、次の四つが挙げられます。

(1)インターネット検索

インターネットのGoogleやYahooといった検索ページを活用し、サプライヤを検索する方法です。検索ページに、製品名やリソース名といったキーワードを入力し、検索結果を参照して、サプライヤに「あたり」をつけます。

また、サプライヤの検索を目的にしたホームページも存在します。

  • NCネットワーク
  • YahooBtoBカテゴリ
  • BizFile(ビズファイル)
  • CCNET(シー・シー・ネット)
  • indexPro(インデックスプロ)
  • インダストリーWEB
  • IPROS(イプロス)
  • 生産財総合サイト(Seisanzai.Net)
  • ビジネスマッチングステーション

また、サプライヤのセグメンテーションに活用した製品名、リソース名で、業界団体を検索するのも有効な手段です。日本国内だけでも無数の業界団体が存在します。業界団体がインターネットのホームページを持っていればメンバー企業のリストが掲載されている場合がありますので、リストを開拓の糸口にします。

業界団体の調べ方は、現在取引をおこなっているサプライヤが所属している団体を、会社案内から調べられますし、JETROビジネスライブラリーなども有益です。

インターネットで検索する方法は、オフィスにいながらに日本全国のみならず、全世界のホームページを持っているサプライヤであれば探索が可能であるという点で、とても効率的な探索手段です。しかし、ホームページに掲載された情報を鵜呑みすることは避けなければなりません(これはおって説明します)。

(2)商談会

これは、都道府県・市区が主催しておこなわれる商談会です。みなさんの勤務先所在地でやっているかどうか、次のステップで確認します。

<所在地の都道府県ホームページにアクセスする>→<「産業」「企業振興」「中小企業」といったキーワードのあるページへアクセスする>→<「商談会」「取引支援」「マッチング」といったキーワードのあるリンク・タブを探す>

最初は、自分の居住地、勤務先の所在地である都道府県主催の商談会に出席してみてください。地場のサプライヤでも、自分の知らなかった新たなサプライヤとの出会いは必ずあるはずです。

最近では、市区レベルで主催される商談会もあります。これは、開催される地域の特性を考えるべきです。というのも、たとえば製造業であれば、東京都大田区、大阪府東大阪市といった地域であれば製造業の産業集積がありますので、製造業の場合は新たなサプライヤとの出会いの可能性が高くなります。しかし、そもそもサプライヤの存在が少ない地域で、市区といった括りでの商談会は注意が必要です。

また、遠方の都道府県主催の商談会への対応です。関東、関西といった地域の商談会に参加すると、九州や東北、四国の商談会出席を勧誘されることがあります。中には、往復の交通費や当日の宿泊代金を、主催した県が負担してくれるケースもあります。

(3)業界紙・専門紙

日本には数多くの業界紙があります。また、みなさん職場でも、ご勤務先が関連する業界の専門紙をご購読されているはずです。調達・購買部門以外では、営業や開発・設計部門で購読されている業界紙・専門紙に一度目を通してみることをお勧めします。

また、記事よりも掲載されている広告を参考にできます。一般的に目にする媒体(新聞、雑誌等)よりも広告費が安価なので、様々な企業が広告出稿しています。

(4)電話帳

これは、いわゆるNTTから配布される電話帳でなく、インターネットのiタウンページを指します。また、海外の訪問先で、英語圏であれば、ホテルの電話帳で探すことが可能です。

iタウンページは、地域や業種での絞り込みが可能なため重宝します。しかし、名前と電話番号しかわからないので、他の検索手段と合わせての活用になります。これまでご紹介した方法を活用して、開拓したいサプライヤの目星をつけましょう。

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