2章-3-1<セクション2~①いかに良品を確保するか>

調達担当者がサプライヤから購入する場合、あらためていうまでもなく購入対象のQCDの確保が最重要課題です。

  • C:コストは、調達・購買部門への社内的な期待も大きく、サプライヤから提出された見積書を第一優先で交渉する調達担当者は多いでしょう。C:コストについては、少しでも安く購入する意識は、比較的高く保たれています
  • D:納期について、企業によって、調達・購買部門内に責任がある場合と、他部門にある場合が分かれます。しかし、サプライヤからの購入価格を決定する際には、価格の妥当性を判断する際にリードタイムは欠かせない情報です。したがって、管理する責任の有無にかかわらずD:納期も意識されやすい要素です。このD:納期についてはおって説明します
  • Q:品質について、近年では調達・購買部門内に、サプライヤの品質を管理する機能を持たせているケースもあります。そういった企業では、調達・購買部門内にも品質に関する高い意識が保たれています。しかし、残念ながら多くの日本企業では、調達・購買部門における品質の取り組みが有功に機能している例は少ないのが実情です。

調達・購買部門に対する社内のもっとも大きな期待は、購入価格削減です。少しでも購入価格を抑える取り組みは、調達・購買部門でも積極的におこなわれます。同じレベルで高い品質を求めなければなりません。コストダウンと品質向上は、相反する取り組みとの側面もあります。

しかし、コストダウンを求めるあまり品質を軽視しては、そもそもコストダウンではありません。「安かろう悪かろう」な調達品を求めているに過ぎないのです。2013年に大きな社会問題となった食材偽装問題、また過去の冷凍食品への毒物混入問題でも、その原因を「過度なコストダウン」といった論調が目立ちました。

調達・購買部門で働く調達担当者は、日常的にこのジレンマと対峙しています。価格と品質のジレンマに、どのように対処するのかが、調達・購買部門における品質問題のテーマです。

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