1章-6-8<セクション4~セオリー③長期的:正しい集中/分散調達を実行する>
D) サプライヤの集中~2.集中購買後の施策
集中購買が実現したら、すぐに次の2点の対応を始めます。
1. 集中からあぶれたサプライヤのフォロー
集中購買実現の裏には発注量を減らしているサプライヤが必ず存在します。その「あぶれた」サプライヤはどんな存在でしょうか。
集中購買といっても、元々発注していた購入品のすべてを一社にまとめるケースは稀です。ある製品やカテゴリーに「集中」した購買を実現させているはずです。したがって、集中からあぶれたサプライヤにも、集中購買実現前と比較すれば少量となっているものの、発注が続いているはずです。
調達担当者は、集中化が実現した瞬間から、集中化し購入量が増加したサプライヤよりも、集中からあぶれたサプライヤへのフォローを意識せねばなりません。とくに、集中化を推し進める過程で、比較検討の結果が僅差であった場合は特に注意します。なぜ、集中からあぶれてしまったのかを、サプライヤを訪問して説明し、善後策をサプライヤと一緒に検討した経験もあります。そして、次の案件を集中からあぶれたサプライヤにも必ず見積依頼をおこないます。
集中購買によって発注を集めたサプライヤを「ほっておく」わけにもいきません。しかし、調達担当者として意識してフォローすべきは次なる分散、その先にある次の集中購買へ向けた、集中化を実現したサプライヤの代替発注先となるサプライヤなのです。社内関連部門の感心が薄れるからこそ、意識して集中からあぶれたサプライヤに注目します。