調達原論3【27回目一発注方法】

27「発注方法」

定量発注と定期発注 

 

発注方式には二つあります。

  • 定量発注方式:在庫がある一定量に達した際に、決められた数量を発注するやり方
  • 定期発注方式:定期的に、在庫の状況を計算し最適な数量を発注するやり方

イメージでは、工場で使用するネジのような安価なものが前者で、高額品は後者と考えておきましょう。ネジのようなものは、在庫を見ながら、少なくなってきたら補充の発注をしますよね。それに対して、高額品は在庫の数量だけを見て毎回たくさん発注するわけにはいきませんから、調達期間中の使用量と現在の在庫量を計算します。

図表で確認してみてください。

やや複雑ですね。

定量発注方式における①は、その製品を発注から納入までの期間に使用する数量に、安全在庫を加算したものです。安全在庫の直観的意味は、万が一のときに備えておく「余裕しろ」のようなものだと考えてください。

次の②は、詳細の説明は専門書に譲るものの、これまた直感的な意味で説明します。製品をたくさん発注するほど、それが納入された後の在庫管理費は増大します。しかし、逆に発注費用(伝票を起票したり、管理にかかったりする費用)は減少します。その二つのパラメーターの合計が最小値をとるところを求め、その解を経済的発注量とするものです。

定期発注方式における③は、定量発注方式の①にやや手を加えたものです。定量とことなり、文字通り定「期」ですから、その発注タイミング時点での在庫量と発注残を計算して求めます。

これらの方式ともいまではコンピュータ上の自動分析で自動的に設定することが多いため、なかなか現場のバイヤーも知らないことかもしれません。ただ、前述の①~③を計算する場合に重要になってくるのが標準調達期間というものです。これは文字通りある製品が、「何日ぐらいで」あるいは「何ヶ月くらいで」納入されるのかを示しています。この数字を各製品ともインプットできなければ、定量発注方式・定期発注方式とも計算できません。そこで、バイヤーに各部品入力させたり、あるいはこれまでの統計上結果を入力することになっていたりします。

そこで注意すべきは、必要以上に長い納期を設定しないことです。どうしてもバイヤーはリスクを取りたくないために、通常であれば1週間で調達可能なものも、3週間程度で設定してしまいがちです。だって、もし1週間で調達できなければ、納期フォローが大変ですからね。

標準調達期間は、第三者が確認する、あるいは実績と比して妥当なものになっているかをチェックしましょう。数式よりも、その結果が「使えるものかどうか」が最も重要なのです。

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