調達原論2【23回目一歩進んだ調達業務改善】サプライヤ倒産の予知

継続してサプライヤから調達する際、欠かしてならないのは、サプライヤの財務状況を把握することだ。とくに、倒産されては困る企業であれば、注意に越したことはない。ただ、とはいえ、毎日の業務のなかでさほど時間がとれないのも事実だろう。そこで、決算書で、最低限の箇所だけでも見ておこう。

  • 流動比率:一年以内に現金化できる流動資産を、一年以内に返済する流動負債で割ったもの。高いほうが良い。
  • 製造原価率:売上高に比する、製造原価の比率。ものづくりのコストを示す。低いほうが良い。
  • 売上高:文字通り、製品単価×数量で示される、一年に売れた金額。絶対額もそうだが、前年比の伸び率が重要

それでも時間がない場合は、流動比率だけでも見ておこう。これなら、サプライヤの決算書を取り寄せ、貸借対照表を眺めれば瞬時に判断できる。目安は、最低でも1を超えるべきで、可能なら1.2~1.5を超えたい。そして2を超えていたら優良なサプライヤと思っていい。

また、損益計算書から見られる、製造原価率は、日本の製造業平均では売上高比で80%ほどだ。そして、残りの20%が粗利益率、すなわち売上総利益率となる。つまり100円の製品があるとしたら、工場で80円のコストをかけ生産し、20円を儲ける。そこから間接費等々を引いてやっと5円が残る。これが実態だ。ということは、売上が減ってしまうと、余裕がない。安穏とはしていられない。だからこそ、サプライヤの決算書調査は必要だ。

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