調達原論2【18回目一歩進んだ調達業務改善】VAVE確度の管理
サプライヤと一緒にVA/VEを推進し、コストを下げようとするとき。あまりにくだらないアイディアは検討に値しない。しかし、客先しだいだとか、生産技術しだいだとか、微妙なケースがある。できるだけ多くの案を出すのが基本だ。そのとき、確度とともにVA/VEのロングリストを作るのがいい。
これは、いわばVA/VEの羅列だ。確度とは、その案が採用される率のことだ。もちろんあるていど概算でかまわない。100%は採用確実、10%はたぶんムリ、といったレベルでふりわける。
たとえば効果額予想が▲100円で、採用の確度が50%であれば、それは実質的には▲50円ぶんしかない。このロングリストでは、この確度をかけあわせた数字の合算が、目標値にいたっているかを確認するものだ。こうすれば、VA/VEのゴールに向かって、どのていど通過しているかがわかる。
ややテクニカルな話をすると、二重計算に注意が必要だ。たとえば、同じパーツについて「サイズダウン」と「使用廃止」という二つの案が出ていたとする。確度はそれぞれ50%としよう。そうすれば、そのパーツが使用廃止になれば、当然、サイズダウンはできなくなる(というか無くなる)。よって、二つの案が両立しない場合は、双方を効果合算しないようにしておこう。
ところで、調達・購買担当者がまずすべきは、過去の設計変更履歴を調べることだ。開発当時には必要だった変更が、完成品になった時点から振り返ると不要の場合がある。その変更を元に戻せないか確認してみよう。それがもっとも簡単なVA/VE発見手法だ。