調達原論【6回目】サプライヤ決定

サプライヤから見積書を入手し、交渉を経たのち、サプライヤ選定をおこなう。かつては、QCD(品質・コスト・納期)を比較し、最適なサプライヤを決定した。現在では、それに加えて、さまざまな指標が増えた。代表的なものは次のとおりだ。

  • D(Development)開発力:自社の製品ロードマップに追随できる要素技術を有しているか
  • M(Management)経営力:財務体質や利益にすぐれ盤石な体制か。またCSR(企業の社会的責任)など管理がなされているか
  • E(Environment)環境対応:温室効果ガス排出抑制対応は万全か
  • P(Partnership/Position)企業姿勢:緊急時に協力してくれるか。またサプライヤ営業戦略上、自社の地位は高いか

また、企業によってはシステム対応の意味で「S」も評価対象とする場合がある。なお、P(企業姿勢)については定性的な評価となりがちだ。目安として、依存度を計算する場合がある。<依存度=該当サプライヤへの年間発注額÷該当サプライヤの年間売上高>で計算される。

依存度が高まればいやがおうにもサプライヤ内のポジションは上がる。ただし、上がりすぎると発注量が下がったとき、サプライヤ経営を揺るがしかねない。一つの目安は、10%ていどをキープすることだ。

そして、評価の形は、○×△をつけるものや、絶対値評価などがある。ただ、重要なのは、他者が見ても公平・公正な評価を心がけることだ。

無料で最強の調達・購買教材を提供していますのでご覧ください

あわせて読みたい