10-3 購買部門バイヤー評価 ~エクセレントバイヤーに花束を 「購買改革のためのバイヤー評価法」~

悪質になると、次の3 パターンが発生する。

 

(1)見積書自体を改ざんするようにサプライヤに依頼する。信じられないが、例えば80 円のものがあれば、まず「お願いだから、日付変更して100円の見積り持ってきて」なんてことをサプライヤに言う。そして、サプライヤが数日前の日付で100 円の見積りを作成して持ってくる。するとバイヤーは、80 円の見積りを持って上司の前に行くのだ。「これだけ下がりました。すごく交渉に時間がかかりました」そして20 円分を自分の成果として報告するのだ。まさに「魔法」のコストダウン手法と言っていい。何もすることはなく20%下げてしまうという「成果」ができあがる。賢明な人であれば、もしそういうことが本当にありうのならならば、いつしかその会社の資材購入費はゼロになるのだと思うだろう。

 

(2)上司も自部門の業績を上げるために、コストダウンのカウントを緩くしている。上司も、自部門のコストダウン%が必達として課されているものだから、ついつい甘くなってしまう。ひどい人になると、「こんなに安いんだったら、原低カウントしとけよ」なんてことをいう。部下が何も言わずコストの承認をもらいに来ると、「以前買ったことがある類似品のコストを調べるように」という。結局、その調べさせるコストはコストダウンの基準単価となるものだから、部下がどうしても比較的高い前歴持ってくる。そして、通常の買い物が、特別割引を実施させたかのような買い物として存在するものとなる。もちろんこのような人の部門は見せかけと異なり、非常に高い買い物をしていることが多い。

 

(3)コストダウンの基準単価として「購買査定値」を使っている。たしかに、交渉して安くなり、サプライヤの努力分を評価するためにコストダウン協力値としてカウントしてあげる場合もある。その際、基準として使われるのが、「購買査定値」なるものだったりする。購買が査定したら、本当はいくらだったというわけだ。そしてその査定コストをペースとしてコストダウン額がはかられる。普通の業務のときはろくすっぽを査定なんかしないくせに、そういう時ばかりは購買査定値なるものが登場して来る。

 

そして、しまいには類似品だといって他のメーカーのべらぼうに高いコストが基準で使われたりする。さらに悪い場合は、その製品を購入する当初の段階で実施した競合の他社の提示コストだったりする。競合でその会社に勝ったから購入を決めたはずなのだから、それより安いのは当たり前だ。

 

これらを購買・資材のコストダウン効果だ、と言っても全然意味がない。前日の会議で、それを真顔で報告されたときに、目の前の設計課長が怒鳴りだすのも当然だった。いや、いままでこの事実を知っていながら素通りしてきた今までの設計者たちがある意味「大人な態度だった」といってもいい。「購買が勝手にコストダウンの報告をするならさせておけばいいじゃないか。コストの責任はどうせ自分たちが持っているのだから、購買部がすることなんて関係がない」。そういう理知的な大人だったのかもしれない。

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