10-2 購買部門バイヤー評価 ~エクセレントバイヤーに花束を 「購買改革のためのバイヤー評価法」~

この部門のいう「何円コストダウンした」という報告は、なかなか嘘がバレない。いや、正直にいってしまうと、それが嘘だったのかさえ限られた人にしかわからない。本当に効果があったのか、その購買部員が役に立っているのかさえ分からない場合が多い。私は、今まで人間的にも能力的にも優れたバイヤーを多く見てきた。彼らであっても、コストダウンに関しては、虚偽の報告をする人たちが多かった。

 

(*注)・・・コストダウンとは正確には「コストリダクション」であり、「原価低減」「原低」とか呼ばれている。

 

1 万円で買ったこともないものを、「交渉して8 千円に下げた」とか言う理由で、初品にも関わらず、「原価低減基準単価1 万円、購入単価8 千円。したがって、20%ダウン」なんて報告するのだ。普通に購入していたら1万円だったところを、自分の成果によって2千円も下げることができた。これに発注数量をかけると、とてつもないコストダウン効果が成し遂げられているのだ、という。

 

挙句の果てには、「コストダウンの年間成果は15%でした」みたいなことを、購買や資材だけの仲間内だけで「発表会」を開いたりする。なるほど、こういう方法があるのかと感心しなければいけない場とされている。これだけの成果を挙げた人たちの発表のだから、何かすごいスキルやテクニックが詰まっている、というのだ。

 

前述の設計課長は、こういう『購買のロジック』によって導かれた数字をコストダウン額だと説明されたわけだから怒らずにはいれなかったのだ。その設計課長が見れば800 円程度もしないモノに対して、「当初は1,000 円で購入していましたので、今期は800 円で買えましたから、200 円が購買の成果です」と言われても呆れるほかないのだ。

 

中にはコストテーブルを使って、コストテーブル算出値との比較で自分の実績を語ろうとする人がいる。しかし、多くの場合、この複雑な技術展開を見せている現代においては、ちょっと前のコストテーブルなど全く役に立たないことが多い。

 

時代の進化があまりに早すぎて、多くの人の承認を必要とするコストテーブルは全くついていかないときが多い。挙句の果てに作成日が20年前のコストテーブルを使っている場合だってある。こんなコストテーブルよりが市価が下がっているのは当たり前だ。それを自分たちの成果だと言うのだから、笑ってしまうほかない。ただ、これを笑えるならいい。笑って、「こういうことはよくあるよね」というぐらいならばまだ救いがある。

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