6-3.海外調達 ~当て馬見積もりをシュレッダーへ! 「新しい購買の「超」海外調達」~

この果てにあるのは、もちろん日本を中心とした狭い視野の戦略ではなく、グローバルな視点で見た戦略であり、全社的なトータルのコストを削減していく試みである。そして、サプライチェーンマネジメントが、単なる言葉の遊びだけでなく、購買部の強い意志として具現化していくときにこそ、会社の中での発言力を高めることができる。

 

同時に、購買部という存在が単なる下請け業務を脱皮して、サプライチェーンのプロフェッショナルを量産していく場と昇華していくはずなのだ。中国サプライヤと心中してでも良いものを作り上げていく決心をするのか。あるいは、短期的なコストダウンなど目もくれず、日本生産の購入品については日本のサプライヤから購入するのか。

 

そして、企業文化のようにその決定事項を社内に広く、そして強く浸透させるべきではないか。そう、中国調達ありきで進めるのでは意味がない。もっと言えば、担当者の間でコミットされていなければ、面倒な担当者からはどうしても「中国調達できない理由」しか出てこない。ダメな理由をいくら出させても全く意味がない。

 

もし、社内に決定事項が浸透していなければ、必ず実務とスローガンの乖離が生まれる。上位者は「中国調達を増やせ」という命令をむなしく響かせ、下位者は「中国の出張は行きたいが本当に採用するとなると面倒くさいのでやめる」と考える。そしてバイヤーの出張は現地視察という出張費のムダ遣いに終わってしまう結論を導くのみだ。

 

そこで残ることといえば、せいぜいバイヤーの中国旅行の経験と、あちらの「若い女性」と触れ合った美しき記憶くらいだ。一体、企業はどれだけバイヤーの中国への旅費をムダしたら気付くのだろうか。 やるときは本気でやる。まさに、それは購買を日本の中だけに留めるのか、海外を視野に入れた活動を展開していくかの、一つの大きな意思決定にほかならない。

 

大きな意思決定ができれば、それは大きなうねりとともに、業務の革新と効率化も生み出す可能性がある。社内全体での戦略の意思疎通ができれば、事業部をまたがった評価シートの作成も可能となるだろうし、それに応じたチームも編成できる。グループ企業全体であればさらに統一化されたアクションが可能となるだろう。そして、バイヤーは自分の力で切り拓く新たな可能性を知っていくだろう。

 

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