8-2 リードタイムの種類 ~複数あるリードタイム
納期管理は、サプライヤーの納入日だけを対象としても希望の納入日は実現されません。リードタイムを細分化し改善すべきポイントを明確にします。
☆細分化するリードタイム
発注から納入されるまでのリードタイムを細分化すると、次のようなリードタイムが確認できます。
(1) 購入条件検討リードタイム(設計リードタイム)
バイヤー企業で、購入仕様を明確にするリードタイムです。発注日前には完了が基本です。サプライヤーで技術的検討を要する場合は、サプライヤーのリードタイムも考慮します。
(2) 需要確認リードタイム
バイヤー企業で、購入するかしないかを決定するリードタイムです。他のリードタイムと同時並行で実行可能です。発注日までに需要を確定させます。
(3) 生産管理リードタイム
購入条件が明確になり需要が確定した後、注文書が発行されるまでに要する時間です。注文書発行に必要な業務プロセスが設定されているはずで、たとえ数日であったとしても考慮します。バイヤー企業だけでなくサプライヤーにも発生します。
(4) 原材料調達リードタイム
必要な原材料の確保に必要なリードタイムです。サプライヤーの発注内容に含めるかそれともバイヤー企業で確保して支給するかによって、起算する基準日が異なります。加工や組立といった工程を開始する前までに確保します。
(5) サプライヤー内各工程リードタイム(サプライヤー生産リードタイム)
サプライヤー内で発生する工程のすべてに発生します。サプライヤーから回答されるリードタイムの主な構成内容です。
(6) 物流リードタイム
サプライヤーからバイヤー企業までの輸送に必要な期間です。国内サプライヤーからの納入ではあまり意識しないリードタイムです。しかし海外サプライヤーの場合、発生する日数と輸送工程(輸送の種類、輸出入時の通関)によって、さらに細分化が必要な場合もあります。(牧野直哉)