7-10サプライヤーと協業して実現させるコストダウン
コストダウンや安定納入といった調達購買部門の課題は、社内関連部門と同様にサプライヤーとも強固な協力関係の構築が、迫りくる難題への回答を得る近道です。協力関係を構築して、協業の進め方を学びます。
☆見積依頼と価格交渉以外のテーマでサプライヤーと面談する
サプライヤーとの面談の話題は、見積依頼内容の確認や、見積金額の交渉が多くなります。しかしバイヤー企業にとって重要性が高いサプライヤーは、そういった実務の話ばかりでは不十分です。
コストダウンは、文字通り発生費用の低減が目的です。ポイントはなぜ下げなければならないか、その理由です。コストダウンは企業が存続するためには不可欠な活動です。しかし一般的な理由では、営利追求を目的とした営業パーソンを説得する根拠としては不十分です。
調達購買部門は、購入を通じて適正なコストを実現します。そのためには「コストをどうやって下げるか」をサプライヤーと語る機会を設定します。バイヤー企業に独善的とならないため、サプライヤーと実務を離れコストをどう下げ、双方の利益の最大化するテーマでの議論が、協力関係の第一歩であり、協業の第一歩です。
☆目的を決めて繰り返し議論の「場」を設ける
日常業務以外のテーマで議論するには、次のような「仕掛け」が必要です。周到な準備で具体的な成果への道が開けます。
(1) テーマの選定
まず取引全般に関する改善内容の洗い出しといったテーマで討議を開始します。いきなり「コスト改善」よりも、最初は対象を広くとります。
(2) 場所と日時の設定
場所と日時は、取り組みに対する意気込みを示しつつ開催による負担感を減らすため1時間程度を予定します。「ちょっと時間が足りないかな」くらいがちょうど良いと判断し、不足感とともに終了時には次回の開催日を設定します。
(3) 具体的な改善事項の決め実行する
討議のスタンスは双方が共同して行う改善活動です。すぐ改善できる内容があればすぐ実行しましょう。双方が集まる場で不明な点は、お互いが社内で確認して、次回につなげます。
隔週、毎月といったサイクルで定期的な討議を開催します。開催場所もバイヤー企業だけでなく、サプライヤーの開催も検討します。大きなテーマが確定したらより多くの時間を費やします。この取り組みは継続が重要です。したがって重要なサプライヤーとのみ開催しましょう。(牧野直哉)