6-2見積依頼から受領までの対応

見積依頼する際、設定した条件が提示された網羅されているかどうか、依頼内容がサプライヤーに伝わっていたかどうかを確認します。提示された価格だけで見積は判断できません。

☆見積を入手するまでの注意点

見積依頼を行いサプライヤーから見積が提出されるまで、バイヤーからアプローチは行いません。サプライヤーが見積依頼の内容になんらかの不明点や確認点がある場合、問い合わせ対応だけです。複数サプライヤーに見積依頼している場合、サプライヤーからの質問と回答はすべてのサプライヤーへ共有し、同じ見積条件を維持します。

見積依頼から見積入手までに必要な期間を考えます。基本的には見積内容の難易度によって回答期日を設定します。見積作成にどの程度の日数が必要になるかをサプライヤーへ確認し、見積提出期日の設定も可能です。十分な検討時間なしの見積依頼は、結果的に適正価格の発注に費やす調整に困難が伴うと理解して対処しましょう。

☆見積内容の確認方法

見積が依頼をした内容に合致しているかを確認します。調達購買部門の価格判断に必要です。また複数サプライヤーへ見積依頼を行っている場合、同じ条件のもとで比較検討するため、内容を明確にして比較します。見積依頼に含まれていない条件があれば、理由を確認しましょう。

☆価格で先入観をもたない

条件が網羅されているのであれば、金額の安いサプライヤーへ発注したくなります。しかし見積内容が複雑になるほど、金額だけを見た見積評価は慎みます。見積金額評価は、依頼内容を満たしているかどうか、また複数サプライヤーへ見積依頼を行った場合、各社の見積内容が同じかどうかを確認して判断可能です。

見積内容に差がある場合、なぜそのような差が生じたのか、原因も明らかにします。依頼事項を見落としているだけなのか、それとも実現するにはサプライヤーのリソースが不足しているのか。不足しているリソースが、そもそも存在しないのか、他の仕事との兼ね合い、優先順位の問題でできないのか。さまざまな理由が想定されます。サプライヤーがどのような根拠・理由にもとづいて提示した見積なのかを理解し判断を下します。(牧野直哉)

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