3.社内関連部門とのコラボレーション 3-1どんな「橋」を架けるか ~部門間の「溝」の乗り越え方~

調達購買部門は、全社目標を達成するため社内の関係部門と協力関係の構築が必要です。しかし部門間には「溝」が発生し、協力して業務を進めるのは簡単ではありません。部門間の「溝」解消には、どうすればよいのでしょうか。

☆部門間の溝を構成する3つのギャップ

組織・部門間には、溝を生む3つのギャップが存在します。業務を進めるため他部門から協力を得るには、ギャップ解消が必要です。

(1)    意識

全社の目標は、部門ごとにその職務責任に応じ部門目標に細分化されます。組織化は、専門化による業務内容の高度化、業務処理の効率化が目的です。一方業務内容の専門化により、同じ社内でも自部門以外の業務理解されにくい傾向があります。他部門へ協力を仰ぐ場合、調達購買部門の業務内容が理解されていない前提で、詳細内容の説明から始めます。

(2)    情報

調達購買部門ではサプライヤー担当者とコミュニケーションの頻度が高く、結果的に認識の共有化が容易です。同じような方法論で、コミュニケーションの頻度が少ない社内の関連部門と情報共有するのは困難です。したがって他部門に協力を求めるときは、背景や、周辺情報に関する説明が必要です。

(3)    制度

部門によっては、対応の要否の議論の余地がない法律やルールを元に業務を進めています。調達購買部門の場合下請法順守に要する業務は、内容の妥当性について議論の余地はなく、法律順守に必要な対応が求められます。他部門の業務に欠かせない法律やルールといった制度も理解しなければなりません。

☆部門間の溝を取り払う3つのポイント

(1)広い視野

自部門の都合を踏まえつつ、他部門の都合や、全社の方向性と「整合性」を確保するための情報収集に必要です。

(2)同じ価値観をベースにした問題提起

社是や全社目標は、異なる部門でも共有できるはずです。共通認識を踏まえ対応方法を検討し、関係者全員の当事者意識を喚起する仕掛けも必要です。

(3)未来志向

部門間の溝による弊害は、長年の蓄積によってより深く広くなってしまいます。同じ問題を繰り返さないために、共通目標を達成するために、これからを考える、未来志向の共有が必要です。(牧野直哉)

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