マネジャー勉強会経過報告(牧野直哉)

昨年の10月以来、月一回のペースで有志によるマネジャー勉強会を行っています。これまでに次のテーマについて、参加者による考えや、可能な限りの実情の報告と、ディスカッションを重ねてきました。1回当たり2時間で、これまでに合計8時間の開催時間ですが、非常に密度の濃いディスカッションが行われています。

2018年10月 参加者顔合わせと今後の進め方討議
2018年11月 バイヤー教育論
2018年12月 マネジャーとしての交渉論
2019年 1月 2019年度 調達購買戦略について
2019年 2月 調達購買部門にとっての顧客とは?

月一回のディスカッションだけでどうかな?と私も半信半疑でした。月一回の討議を補足する意味合いも有り、メーリングリストを作成してマネジャー勉強会参加者の間で情報発信を促しました。結果、全員ではありませんが積極的に情報発信をしてくださるメンバーの方に触発されて、全員に近い方が何らかの発信を行っています。

また、参加者が調達購買業務上の疑問をメーリングリスト上に流すと、メンバーから次々と解決の方法論が紹介されるといったこともありました。勉強会のテーマとは違う内容でしたが、皆さんの問題の捉え方や、解決方法が、同じテーマであってもやはり全員違うんですよね。その違っている部分が、個人のキャラクターを反映しており、これまた興味深く、開催してよかったなぁと実感した瞬間でした。

メンバー構成は、大手企業の部長職もいれば、管理職になりたての方もいらっしゃいます。先月行った「調達購買戦略」では、テーマは同じであっても部長職と管理職になりたての人では、視点が異なりおのずと実践論も異なります。管理職になりたての方は、自分の部下との戦略上の方向性合わせに悩んでいました。その場で部長職の方から非常に有効なアドバイスがあり、マネジャーといっても管理する対象が異なるので、討議を通じておのずとさまざまな視点が生まれる結果に至っています。

メンバーは、さまざまな業種の企業に所属されています。買う物は違っても、どうやって上手に買えばいいのか。調達・購買業務の本質的な部分ではやはり共通項があるのですね。議論をかみ合わせるためには、自社や業界固有の話よりも、本質的な部分への言及が必要です。この点も、これまで非常にうまくかみ合って討議がおこなわれています。

そして日々調達購買の現場で、現実に発生している問題と格闘されている方がメンバーです。問題意識にしても解決方法にしても極めて実践的です。「調達購買戦略」では、まず会社全体の目標と戦略が設定されて、その戦略をどのように会社全体にあまねく展開していくか。その上で、従業員一人一人が戦略を理解し、自らの担当領域の戦略と行動計画に展開し、展開した内容を上司と合意してフォローしていくセオリーについて語られました。会社によって、参加されるメンバーによって、微妙に進め方や興味のポイントが異なり、それが活発な議論へとつながっていきました。調達購買戦略に限らず、さまざまな企業戦略にまつわる本を読みあさっていますが、どんな本よりも実務に役立ち、戦略とは?についてより一層理解が進んだと考えています。

マネジャーの共通の課題が、部下のスキルやモチベーションをいかにアップさせるかだとわかりました。これは「今どきの若いものは」的な世代間対立で片付けてしまっては、せっかく貴重な時間を議論する意味がありません。しかし一筋縄では解決しない問題です。これまでの通りの中では、もっとも消化不良の感が強い討議でした。

1つ言えるのは、全員の部下が同じようにスキルアップするわけでもなく、仕事に対する姿勢も同じではありません。そういった異なるキャラクターを活用して、いかに調達購買部門全体の業績をアップさせていくのか。最近の人手不足を背景にすると「ダメだから人を変えればいい」といった解決策はなかなか実現できない現実もあります。現有人材をどのようにレベルアップさせるのか。そのためには、できるだけ具体的に部下の個々人を対象にした問題意識を明確にすることが非常に重要だと再認識させられました。

1日の仕事の後、会社に残ったり早めに自宅に帰ったり、時には弊社のオフィスにお運びいただいてディスカッションをするわけですから、参加者自体は皆さん非常に高いモチベーションがあります。調達購買部門をなんとかしたい、より高い成果で業績に貢献したい強い熱意をお持ちの方ばかりです。強い熱意のある場での討議は面白いですね。

この勉強会は、当初今年の3月までを予定していました。しかし予想外に興味深いディスカッションが毎回行われているので、メンバーの合意が得られたら、9月末まで延長しようと考えています。Skypeでも十分にディスカッションが可能です。これも技術の進歩を実感しています。あまり人数を多くすると、有意義な討議ができない可能性がありますので、新たなメンバーを募集するかどうかは未定です。どこかのタイミングで、新たな出会いを求めて勉強会を開催したいと思っています。

(了)

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