サプライヤをさっと見極める方法(坂口孝則)

このところサプライヤーの決算書を見る、あるいはサプライと初めて面談するとき、どのようにさっと見極めたらいいかを検討していました。つまり、サプライヤーの売り上げや、従業員数、その他の情報を訊くのはいいのですが、結局どの様に判断して良いのかが全くわからないのです。

例えば、経常利益率ならば良い悪いの判断はつくでしょう。しかしながら従業員数を聞いたりしたところで、一体どんな役に立つのか。これまで先輩たちが教えてくれなかったのです

そこで簡易的な方法を考案しました。簡易的とは言いましたが、これでだいぶ中堅製造業のサプライヤーの現状がわかるはずです。従業員数を聞くとき、考えてみれば当たり前で、同じ売上高だとしても従業員が少なかったらいいし、従業員が多かったらまずい。

読者は中堅製造業をサプライヤとして扱うケースが多いでしょう。そこでひとつの目安をお伝えします。

全従業員の数×130万円×12ヶ月これと売上高を比べるという方法です。その金額(掛け算の結果)が、実際の売上高よりもまあ低かったらちょっと厳しいということです。逆に実際の売上高の方が多かった場合は安定しています。一度やってみてください。

そして次です。

決算書を見たときの構造ですが、目安は材料費が30%、そして人件費が30%、その他の経費を使って、10%の営業利益が残るのが理想です。もちろん、材料費とは実際の原材料だけではなく、いわゆる外部に支払う費用を指します。材料費とは、文字通りの原材料費のほかに、外注費や調達費などが含まれると思ってください。それと、サプライヤの状況を比べます。

さらに時間があったら、そのサプライヤの間接人員を調べてみましょう。目安としては間接人員は全体の20%だと思えばよろしいでしょう。この20%を超えたらかなりコスト構造的に厳しくなります。ところでこの20%には、社長や取締役を含みますので、ご注意ください。

つまり100人の企業があるとしたら間接は20%以下だから、20人以下に抑えようということです。すなわち、逆には、80%の人が工場などで生産に従業していることが重要なわけです。

また、上図の左を見ていただくと、外注費が中堅製造業では10%ほどです。もし、この10%がもっと多い企業であれば、間接人員が増える可能性は高いと考えてください。外部企業を管理する必要性があるからです。とはいえ、目安は間接人員の数=全体の20%と簡易計算できるでしょう。

上記、人数と売上高、コスト構造、間接人員……この三尺度で、けっこうわかります。ご参考までに。

<了>

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