短期連載・坂口孝則の情報収集講座(坂口孝則)

この大学からかぞえて20年ほど、ずっと「調べて書いて、発表する」行為を続けてきました。社会人になると、「この資料作っておいて」といきなり言われるケースは多いはずです。むしろ、会社員の仕事の大半は、資料作成といっても良いかもしれません。そこで自分なりに総括したい気持ちもあり、『情報収集講座』と題し、短期連載としてメルマガに掲載することにしました。

【第20回】業界について調べる

業界全体の見取り図を俯瞰する方法について説明します。これは前節の商品にたいして、市場にいるプレイヤー(会社)を把握することです。この領域は、日本経済新聞社と東洋経済新報社の二社が使えるものを出しています。したがってこの二社の情報源が中心となります。

まず業界全体のザクッとした状況を知りたいとき使えるのは、次の二つです。
□日経業界地図(日本経済新聞社)
□会社四季報業界地図(東洋経済新報社)
→これらを見ると、主要企業がどれくらい販売していて、シェアがどれくらいか把握でき便利です。

また仕事上で作成する資料でありがちなものとして、「自社が狙っている商品領域の分野は今後どれくらい伸びるか」とか「あるいは国内マーケットは海外と比較してどれだけ伸びそうか(縮小しそうか)」などがあります。そのときには、やはり日本経済新聞社のこれが役立ちます。
□日経シェア調査(日本経済新聞社)
→世界と国内の市場規模やシェアとともに、今後の成長(衰退)展望が記載されています。

その他、必要に応じて下記を手にとってみてください。
□業種別審査辞典(金融財政事情研究会)
→えらく堅苦しいタイトルです。審査とありますが、多数の業界動向をまとめたものです。この特徴として、各業界で必須の関連法規等もまとめられていることです。

□TDB業界動向(帝国データバンク)
→業界におけるニュースが記載されています。また、今後の見通しや統計データ類が多く盛り込まれています。

□未来予測レポート(日経BP)
→テクノロジーが生活にどのような影響を与えるのか、そして産業分野はどう変わるのか、といった、文字どおり予測集です。

*有料レポートの活用

なお、以前の節で紹介したとおり、有料の業界レポート購入も、予算が許せば一手です。

□矢野経済研究所(http://www.yano.co.jp/
→産業分野毎のマーケットレポートを販売しています。老舗の調査会社であり、そのクオリティに定評があります。
□マクロミル(http://www.macromill.com/
→インターネットを活用した市場調査を主に行っています。消費者の心理など、かなりオリジナリティの高い調査で有名。レポートは一部、無料公開されています。
□富士経済(https://www.fuji-keizai.co.jp/
→産業用のレポートを多数、発行しています。

*無料レポートの活用

また、無数のレポートを無料閲覧できるのが、やはり国会図書館等です。

□国会図書館(http://www.ndl.go.jp/
→国会図書館は国会図書館サーチ(http://iss.ndl.go.jp/)で蔵書を検索できますので、そこで各種調査資料の蔵書有無を確認して出向くことができます。

キュレーションという言葉をご存知でしょうか。情報を収集しまとめ紹介することです。あなたが探している特定業界のレポートではないかもしれませんが、キュレーターが選択した”一見に値するレポート集”も下記サイトで確認できます。主に銀行のキュレーションサイトになります。

□SMBCコンサルティング「最新業界レポート」(https://www.smbc-consulting.co.jp/company/mcs/industry/
□三井住友銀行「産業レポート」(http://www.smbc.co.jp/hojin/report/
□みずほ銀行「みずほ産業調査」(http://www.mizuhobank.co.jp/corporate/bizinfo/industry/sangyou/index.html
→これら銀行のレポート集は、銀行やそのグループ会社がまとめたものだけではなく、外部機関レポートのリンクも多数存在しています。やや会社のレポートとは縁遠いかもしれませんが、世界経済や為替に関するレポートなども無料公開されています。

これらを見ると、日本では、かなりの情報が無料公開されていることに気づきます。もちろん、有料レポートに誘導する手段でもありますが、それでも無料版だけでも読めば非常に参考になる情報があふれています。

<つづく>

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