短期連載・坂口孝則の大企業脱藩日記(坂口孝則)

世間一般で“流通コンサルタント”という印象が強い私。みなさんはご存知のとおり、調達・購買の専門家として多方面で働いています。しかし、自動車メーカーを辞めてから、さまざまな模索時期がありました。当時の話は、さまざまなところで紹介しましたが、あまりホンネをまじえて述べたことはありません。そこで『大企業脱藩日記』と題し、現在までを短期連載としてメルマガに掲載することにしました。

【おまけ~最後にそれでもコンサルタントになりたい君へ】
ということで最後に、おまけとして、
それでもコンサルタントになりたい君へ」と題して書いておきたい。まず、コンサルタントという職業は、仕事を依頼されなければ成り立たない。だから、顧客や潜在顧客との接点を拡大していかねばならない。まず、自分を世の中にアピールするためには、文章を書かねばならない。そして自分という商品をマーケティングする必要がある。

そこで、「いま、ゼロから始めるなら」私はどうするかを記しておく。まず、独立開業したら、誰も自分のことなんて知らないのだから、積極果敢にメディア等に自社(自分)の宣伝広告を出さねばならない。そこで参考になったのは、次の三冊だ。「プロ法律家のビジネス成功術」(正確には旧版から読んだ)、「テッド・ニコラスのコンサルタント起業成功法則大全」、「ネット集客での売上に直結する 見込み客リスト(メールアドレス)の集め方・使い方」。という下品な本ばかりだ。ただ、「プロ法律家のビジネス成功術」はほんとうに役に立った。

そして、次は自分のホームページからメールマガジンに登録してもらったり、小冊子をダウンロードしてもらったりして、どんどんリストを構築せねばならない。そのときに役立ったのは、海外のマーケッターの存在だ。さらに具体的にいうと、ジョン・リース、ゲイリー・ハルバート、ジェフ・ウォーカーなどだ。彼らは言葉を使ってひとを誘導することのみでメシを食っている。それならば、自分が活用しないテはない。こういうのを分析して、そのまま使っていった。具体的には、商品のページにも応用していった。こういうのを勉強しているのといないのではまったく違う。

日本でも神田昌典さんの文章は大変に参考になる。だから神田さんが出していた教材をほとんど読んだ。50万円くらいするものもあったが、中古市場でなんとか見つけた。あとはダン・ケネディとかだろうか。

そのあとに、自分のサービスを「規定」する必要がある。これが難しい。私はこのように規定していった。あとは、誰かがひっかかってくれるのを待つ。だから、単に待っていたのではいけない。宣伝とか情報を拡散していって、それで儲かったら、また次に投資して、それを繰り返す。空き時間があったら何かを書き続け、自分のメディアで発信したり、どこかに売り込みにいったりする。

さらにコンサルティングの現場では、お客様に最適な助言を与えたり、資料を提供したりして満足度をあげる必要がある。しかし、これが難しい。なかなか良い教科書がない。というのも、コンサルタントの場合は、お客をひっぱってくるまでの書籍がほとんどで、実際に現場で何をすればよいか書かれた本はほとんどないのだ(それに著者も一般概念化しづらいのだろう)。それでもあえて書けば、「コンサルタントの秘密」「稼げる中小企業診断士・プロコンサルタント開業成功術」の二冊くらいか。私はありとあらゆるものを読んでいると思うが、そのなかでも、この二冊、しかも、まだ不満が残る、といったレベルだ。もしかすると、ここに私が著作を書くチャンスがあるのかもしれない。

そして重要なのは、やり続けることだ。イノベーションは「三つのA」が重要といわれる。1つは「Action」・2つ目は、「Awareness」(変化)、3つ目は、「Acceptance 」(受容すること)で、いろいろなひとは良く3Mのポストイットを紹介する。張り付く力は弱かったけれど、それが革新的な商品につながる発見だった!と。私が思うに、しかし、この三つのAのなかでいちばん重要なのは、最初の「Action」じゃないか、と思う。というのも結局、やっていなかったら何も気づかないからだ。手をずっと動かすこと。そしてとにかく何らかをやっていないと発見すらない。これが簡単なんだけれど、難しい。反応がなかったら、多くのひとはしょんぼりして続かない(私もそうだ)。でも、それでも続けたひとにのみ果実はやってくる。

以前、ぼくはほそぼそとメールマガジンを書いていた。そのときなんと、たったの120人しか読んでいなかった。それでも続けた。いま、メディアで書くと100万を超えたこともあるし、テレビは1000万人が観る。でも、そんなところでいきなり書いたり出たりできるはずはない。だから地道に地道に続けるのだ

だから、「地道に地道に続ける」。これしかない。多少は間違っても、大丈夫。それを続けていれば、きっと成功に近づく。「確信があり継続する自己流は、王道に勝る」。これをメッセージにしたい。

<これで了>

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