一読即決「たった一人の熱狂(見城徹著)」(坂口孝則)

私もお世話になっている出版社の幻冬舎代表取締役社長・見城徹さんの新刊です。タイトルもズバリ「たった一人の熱狂」ですよ。 http://goo.gl/ujDbdd

見城徹社長は、郷ひろみさんの離婚発表にあわせて「初版50万部」なる驚愕の刷り部数で本を発売したり、350万部(!)も刷って幻冬舎文庫を創刊したり、やしきたかじんさんの死去にあわせて百田尚樹さんの「殉愛」を発表したりと、話題にことかきません。

私は、氏の「編集者という病い」(http://goo.gl/PwfqT8)にあまりに影響をうけ、書き写してしまうほどの人間です。ただ、今回の本も、見城徹さんの病というか熱が充満した作品です。

<僕はよく女子プロゴルファーに言います。「その年、一番苦しい努力をした人が、その年の賞金女王になると考えた方がいい」と。「あなたが35位なら、あなたの苦しい努力は35番目だったんだ」と「結果が全ての世界なんだから、そう考えるしかないよね」と。(P28)>

しびれますよね。そうなのです。言い訳ができない、というか、言い訳の意味が無い世界こそが、プロなのですよね。むしろ言い訳できるとは、言い訳の余地がある”ぬるま湯の状態”ともいえるのですね。見城さんは、優しく、そして圧倒的に厳しく、すべての働くひとにエールをくれます。

<金だけじゃない、というのは自分への言い訳です。金が全てだということは僕が仕事を始める時の前提でした。それを無理にでも呑み込んで、僕はこの世界での闘いに飛び込んだのです。汚れているのは言わずもがなです。今も金が全てだと言い切っています。(P154)>

かっこいいですよね。この発言が、じゃなく、反論を恐れぬ姿勢が、です。金だけがすべてではない、という考えに反対するひとはたくさんいます。しかし、なぜ、金のことになったら、とたんに反対したがるのか。私は、反論するひとこそ、逆に金に執着しているのではないか、と疑っています。何か一つのことに異常な嫌悪感をもつのは、どこか下品な態度のように私には感じられるのです。だから、見城さんのように言い切ってしまうひとは、清々しくさえ感じます。

<圧倒的努力で得た結果も、一度ゼロに戻す。ゼロの地平から原石を探さなければ、次なる成長軌道は描けないのだ(P106)>

この言葉なんかは、自分に刻みたいと思います。一箇所で成功体験を味わっている時間なんてないのですよね。次々に挑戦せねばなりません。一つのコンテンツでずっと稼ぎ続けている講師もいますが、私は毎回あらたなコンテンツを加えたいと思っています。自分の挑戦ができなくなったときこそ、そのひとの終わりかもしれません。

そして、この本を読み終わったひとは、理解するでしょう。そうか、コンテンツ販売業の出版社にあって、最大のコンテンツは、社長なんだと。あと出版社の社長で有名なのは、ディスカヴァーの干場さんくらいでしょうか。私はどちらもお会いしましたが、両者ともとにかく生きるパワーだけにあふれるひとです。そこらの20代がやってきたら、吹き飛ばされるよ。

働くことに、すこしでも勇気をもらいたい、すべてのひとへ捧げます。

(了)

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