コラム 利益率の高いサプライヤーを選ぶべき理由

●ポイント
1.利益に着目したサプライヤー選定の重要性を強調する。
2.サプライヤーの利益率の評価方法を明確にする。
3.バイヤーとして適正な利益レベルを見極めるための具体的なポイントを示す。

多くのバイヤーが主要業務と位置付ける価格交渉。調達・購買部門で購入した金額は「コスト」として計上されますが、サプライヤーの販売時点では「利益」が含まれています。価格交渉の際に原材料費や加工費、組立費用や販売経費といったサプライヤーのコストに注目することが多いですが、利益に着目し、適正な利益を踏まえた交渉を行うバイヤーは少ないのが現状です。

製造業では、経費全般と利益を合計すると売上の20%が目安になると言われています。提示された価格の原材料費や組立・加工費に注目する場合、これらの概算データは購入価格を評価するために有効です。しかし、同じ業種でも上場企業間で利益は大きく異なります。まして、規模や運営方法が異なる法人の場合、同じ業種でも利益率に差があるのは当然です。

利益レベルの掌握はサプライヤー選定に大きく影響します。少なくとも業界平均レベル、できれば平均以上の利益を確保しているサプライヤーを選びましょう。「利益」はあらゆる企業活動の源泉であり、稼いでいる会社は「稼げる理由」があります。利益を上げる魅力があるからこそ、発注先として選定する価値があります。言い換えれば、利益は発注先としての魅力を数値で表しているのです。

適正な利益を確保していれば、企業成長に欠かせない再投資も可能です。バイヤーも魅力的な発注先であり続けるためには一定の利益が必要です。一方で、利益が多すぎるとバイヤーとして心穏やかではいられませんね。適正な利益レベルを踏まえて価格査定を行い、適正レベルの利益を確保しつつ、将来的に発注を続けられるサプライヤーを見極めることが今、バイヤーに求められています。

●具体例
例えば、ある企業が利益率の高いサプライヤーを選定し、定期的な協議会を通じて長期的なパートナーシップを築いた事例があります。この企業は、適正な利益を確保しつつ、コストダウンの協力を得ることで、双方にとって利益となる関係を構築しました。

このように、利益に着目したサプライヤー選定は、企業の持続的な成長と安定した供給を実現するための重要な要素です。

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