先週の調達・購買担当者が見るべきニュース(5月25日~5月31日)
2024年5月25日
EU供給網管理法が成立 人権侵害など対策義務 日本企業も対象
記事を読むと、各国のグローバル企業から反対に対応し、規制内容が大幅に緩和したとされている。しかし本法では、管理に加えて、是正措置や具体的な計画の策定が必要であり、書類仕事ですむ話ではなく、具体的な行動が求められる内容と理解できる。日本では人権デューデリジェンスがまだガイダンス規格で、制度面での改善が必要。企業で発生する取り組みの負荷を特定し実践を促すためにも適切な法制化が欠かせない。
2024年5月28日
ジャニーズ問題「依然深い憂慮」 国連人権理作業部会が報告書公表
日本でのニュースバリューを克明に表す見出し。報告書原文を読むと、日本国内における人権認識の、東京と地方の格差を指摘している。これは企業に置き換えて考えれば、本社部門の意識が高かったり、専任部署があったりしても、地方の事業所には同じような問題意識や取り組みが浸透していないになるだろう。これは人権デューデリジェンスの取り組みについて企業の現場で日常的に直面している状況だ。またこの点は、企業規模のちがいからも言及されており、中小企業をサプライヤとして抱える大手企業の調達・購買部門の役割は、今後より重要となるだろう。
2024年5月28日
村田製作所、被災しても5日以内に出荷再開 BCP強化
能登地震に被災しサプライチェーンに影響を及ぼした企業の取り組み。5日以内の出荷再開は、在庫による対応になる。大きな災害によるサプライチェーン断絶であったとしても、たび重なって発生することで、競合他社に対する優位性を失うことにつながる。調達・購買管理が比較的進んでいるこの企業で5日以内の再開に在庫を活用するのは、生産継続よりも確実性が高いからであろう。
2024年5月31日
車生産、円安で国内回帰 ムトー精工、能力5割増 プラ成形新工場、来春稼働 電動化需要も後押し
為替変動影響によってこういった動きが出るのはこれまでに何度もくり返されてきた。ポイントは短期的な利益ではなく、根源的な国内回帰への意義だ。この場合は、企業の海外進出による空洞化について、製品開発といった部分の機能強化が謳われている。為替変動の影響は、企業業績に短期的な大きな影響を及ぼすが、短期的影響に翻弄されない取り組みが求められている。
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