7-2 「見える化」による効果的なコスト削減の実践
●ポイント
1.コスト削減において「見える化」の重要性を理解する。
2.時系列分析や販売単位ごとの分析を行い、コスト削減の具体的な方法を学ぶ。
3.購入品の価格と役割の重要度に基づく分析を行い、効果的なコスト削減を実現する。
●問題なのは「見えない=わからない」~見えるコスト削減
コスト管理を行い、コスト削減を進める上で、現時点での正しい実態を反映したコストの理解は不可欠である。また、調達・購買部門の意思決定やコスト削減の必要性を社内に説明する際にも、「見える=容易に理解できる」状態を実現することが重要だ。
●時系列の分析
過去から現在までの購入価格の変化とその根拠を明確にすることが求められる。価格推移とともに購入量の変化も確認し、サプライヤーの内部要因か、外部要因(市場価格や需要動向の変化)かを明らかにする。例えば、ある企業では、過去3年間の価格変動を分析し、数量増加に伴う量産効果が反映されていない場合には、サプライヤーに対して価格の見直しを求めることに成功した。
●販売単位ごとの分析
サプライヤーごとや購入品目ごとに購入価格の集計・分析を行い、自社の販売単位ごとの購入コストも分析する。販売単位とは製品や機種を指す。例えば、ある企業では、主要製品に使用される部品の購入コストを分析し、市場価格とのミスマッチを特定し、コスト削減目標を設定した。このように、分析を通じてコスト削減対象を特定し、効果的な対策を講じることができる。
●2つの視点が必要な重要性の分析
(1)購入価格の大小による分析
購入金額の大きい順にアイテムをソートし、全体コストに占める割合を算出する。例えば、ある企業では、購入金額が大きい部品に重点を置き、サプライヤーと価格交渉を行い、大幅なコスト削減を実現した。このように、ABC分析(重点分析)を用いることで、効果的なコスト削減活動を推進する。
(2)購入品の機能・役割の重要度による分析
購入要求部門(設計、品質保証、製造)の協力を得て、製品の構成部品を役割や機能に基づいて分析し、重要度を決定する。例えば、安全性に関わる部品の場合、徹底的な議論を行い、調達・購買部門が主導して最適なコスト削減策を見出すことができる。
●まとめ
コスト削減において、「見える化」は非常に重要である。時系列分析や販売単位ごとの分析を通じて、具体的なコスト削減の方法を見つけ出し、購入品の価格と役割の重要度に基づいた分析を行うことで、効果的なコスト削減を実現し、企業の競争力を高めることができる。
未来調達研究所株式会社が提供する【挑戦喚起】無料ブックレットは次のURLから
https://www.future-procurement.com/booklet/