8-5　適正納期の設定方法：リードタイム管理と納期短縮の秘訣

●どうやって適正納期を設定するか
納期遅れを防ぐため、バイヤー企業とサプライヤーは最低限必要なリードタイムを設定し合意する。顧客の短納期要求に適切に対応するために、まず現状を正しく認識することが重要だ。

●予備日数の上乗せを最小限にとどめる方法
納期遅れが発生すると必要なリソースを総動員する対応が必要となる。その労力は他の業務にも影響を与えるため、どの企業でも納期遅れは避けたい。その結果、必要なリードタイムに予備日数を上乗せして報告するケースがある。しかし、納期遅れを防ぐための上乗せは最小限に抑えることが重要だ。

上乗せ日数はリスクを想定して設定されるが、その程度が問題となる。バイヤー企業は詳細な条件を詰め、サプライヤーが自己防衛でリスクを織り込まないよう環境を整える。この取り組みはサプライヤーとの信頼関係が必要であり、真の納期短縮は、上乗せしていた日数を除き、実質的に発生するリードタイムを短縮することだ。

●ボトルネックの解消
リードタイムを細分化し、全体工程で割合が大きな工程をボトルネックとして対策を施す。ボトルネック工程を詳細に分析し、リードタイムの根拠を明確にして能力拡大や効率改善に取り組む。

バイヤー企業も協力して具体的な対策を検討する。材料調達リードタイムが長い場合は材料のみ先行発注する、工程能力が不足している場合は外注化を検討するなど、共同で対策を行う。

●納期短縮のメリットにも目を向ける
納期が短くなることで、サプライヤーにも多くのメリットがある。生産効率向上による出荷量拡大、仕掛在庫の減少による運転資金の減少、短納期化による受注機会の拡大などだ。

納期短縮の取り組みは、生き残るための普遍的な戦略であり、価格と並ぶ明確な優位性を示すポイントでもある。双方にメリットがある点を共有し、サプライヤーの協力を引き出すことが重要である。

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