先週の調達・購買担当者が見るべきニュース(4月13日~4月19日)

●マンション4935万円、バブル次ぐ水準 近畿の新築、昨年度 資材高・低金利が影響
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO80120840Y4A410C2LKB000/
●牛丼を分解してみた 1杯の原価は4割上昇、値上げ再び?価格は語る
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB014WP0R00C24A4000000/
調達・購買担当者/バイヤの基本的なスキルに、適正価格の見極めがある。見積金額が¥1000だったら、原材料費、労務費、管理費、利益といった大まかな分類ができるかどうかが第一歩だ。分解するには、一定の知識量が必要だが、ニュース報道でも感度を磨く知識は仕入れが可能だ。特に今回紹介した日本経済新聞の「価格は語る」は、テーマとなった品目のコスト情報が提示されている。マンションはなかなか買う機会が限られるし、牛丼は食べる機会が多すぎて、いちいち材料コストなんて気にしないだろう。しかし、例えば自社工場や事務棟を建設費の購買をするときに、記事にある坪当たり単価などは、1つの目安にもなり、倉庫だったらマンション坪単価より低いだろうといった感度が生まれる。価格感度とは、生まれ持ったモノではなく、こういった何げないデー手の蓄積で生じるものだと私は信じているので継続して行っている。

●中小企業賃上げ率「5%未満」6割 24年、連合目標下回る https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC182ST0Y4A410C2000000/#:~:text=%E5%85%A8%E4%BD%93%E3%81%A7%E3%81%AF77%25%E3%81%AE%E4%BC%81%E6%A5%AD,%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%82%8212.3%25%E3%81%82%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%80%82
この調査結果にはちょっと違和感を覚える。例えば鉄鋼製品を例に考える。鉄鉱市況価格の変動が、私たちが鉄鋼製品を購入するまで、その波及にはタイムラグが生まれる。実際に合意した賃上げ分にしても、4月分の給与で反映される企業は一部だろう。労務費転嫁の波及は少し時間を要するはずだ。だから、中小企業=サプライチェーンへの波及は少し様子見が必要ではないかと考える。この結果で、へんな要請が出てこなければいいなと思っている。

●三村明夫(13) トヨタと日産 ただ者ではない相手 値上げ後にねぎらわれる(私の履歴書) https://www.nikkei.com/article/DGKKZO79975940S4A410C2BC8000/
日本最大の鉄鋼メーカーを率いた三村さんの「私の履歴書」には、同時進行で鉄鋼製品を買っていた私にも「そうだったんだー」と思う内容がたくさんある。特にこの回の価格交渉回数の下りは、値上げ要求と受入の攻防の現実が浮き彫りになっている。今はちょっと違っているけどね。

未来調達研究所株式会社では、こういった情報を週一回、メルマガで発信しています。
【無料】御購読お申し込みはこちらから

あわせて読みたい