4-7 公平なサプライヤー選定とコスト削減の戦略

●ポイント
1.公平性と透明性: 入札を通じてサプライヤー選定の公平性と透明性を保証します。
2.コスト効率: 競争を促進し、コスト効率の高い発注を目指します。
3.入札プロセスの理解: 入札のプロセスと準備について深く理解し、効果的に活用する方法を学びます。

入札は、多くのサプライヤーから最も条件の良い提案を選ぶための公正な手段です。これは、低価格での発注だけでなく、サプライヤー選定の公平性を確保するために重要なプロセスです。特に、電子入札の普及により、より多くのサプライヤーが参加しやすくなり、プロセスの効率化が進んでいます。

・入札実施プロセスの重要性
入札プロセスは、バイヤーが直接サプライヤーを指名しないため、提案の内容に基づいて最も適したサプライヤーが選ばれます。これと対照的なのが「随意契約」で、こちらはバイヤーの裁量でサプライヤーを選ぶ方法です。近年では、多くの発注が随意契約で行われますが、入札同様に透明性の高いプロセスを取り入れ、不正な取引を防ぐことが求められています。

・入札の種類とその特徴
①一般競争入札: どの企業でも参加可能で、最も開かれた形式の入札です。しかし、参加企業の信用度合の問題や品質に関する懸念が生じる可能性があります。
②指名競争入札: 事前に資格を有すると認められたサプライヤーのみが参加できる入札で、より管理された環境で発注先を決定できますが、談合のリスクも考慮する必要があります。

・入札前の準備
入札を行う前の準備は非常に重要です。発注する商品やサービスの仕様、数量、納期だけでなく、品質管理基準やアフターサービス条件など、詳細な条件を明確にすることが必要です。これにより、サプライヤーからの提案を効率的に比較・評価することが可能になります。

・入札後の交渉
原則として、入札を通じて選ばれたサプライヤーとの金額交渉は行いません。これは、入札によって決定された価格が最終的なものとなるためです。ただし、発注条件に変更があった場合はこの限りではなく、最も条件の良かったサプライヤーとの間でのみ交渉が許されます。これにより、入札の意義を保ちつつ、適切な条件での契約が可能となります。

・事例紹介
例えば、ある自治体が公共の施設建設のために一般競争入札を行った場合、様々な建設会社が参加します。事前に発注条件、品質基準、納期などが明確に示されていたため、参加したすべての企業が平等に競うことができ、最終的には最もコスト効率の良い提案をした企業が選ばれました。このプロセスを通じて、公平性とコスト削減の両方を達成することができました。

入札プロセスを深く理解し、適切に活用することで、企業は公平でコスト効率の高い調達を行うことができます。調達・購買業務に携わる皆さんがこの知識を身につけ、実践することを強く推奨します。

未来調達研究所株式会社が提供する【挑戦喚起】無料ブックレットは次のURLから
https://www.future-procurement.com/booklet/

あわせて読みたい