3-1 調達・購買の橋渡し:社内協力と関連部門との溝を乗り越える戦略

*ポイント
調達・購買部門が直面する、他部門との協力における意識、情報、制度のギャップについて
部門間の協調性を高めるための視野の広さ、共通価値観、未来志向の重要性について
実際の事例を通じて、調達・購買の業務がどのように社内の架け橋となるかについて

調達・購買部門は、会社全体の目標達成において重要な役割を担いますが、他の部門と協力する際、さまざまな「溝」に直面することがあります。これらの溝をどのように乗り越え、効果的なコラボレーションを実現するのでしょうか。

組織間の溝は主に、意識の差異、情報の非共有、制度的な制約の3つのギャップによって生じます。例えば、他部門が調達・購買の業務内容を十分に理解していないという意識のギャップが存在する場合、まずはその業務の重要性と具体的なプロセスを説明することから始める必要があります。

一方、情報のギャップに関しては、調達・購買部門がサプライヤーと頻繁にコミュニケーションを取り、共有認識を容易に築けるのに対し、社内部門間ではこの頻度が低く、情報の非共有が問題となります。この問題を解決するためには、協力を求める際には、その背景や関連情報を明確に伝えることが求められます。

最後に、制度的なギャップについてですが、例えば調達・購買部門は下請法の遵守など、議論の余地のない法律やルールに基づいて業務を進めることが求められます。これは他部門も同様であり、相互の業務内容に対する理解が必要です。

これらのギャップを乗り越えるためのポイントとしては、まず広い視野を持つことです。自部門のみならず、他部門の状況や全社の方向性を理解し、情報収集を行うことが不可欠です。次に、全社目標や企業理念といった共通の価値観に基づいた問題提起を行い、全員が同じ目的に向かって行動できるようにすることが大切です。最後に、未来志向を持ち、長期的な視点で共通の目標達成に向けた行動を共有することが重要です。

具体例として、ある企業では調達・購買部門が先導して、社内の各部門を巻き込んだ定期的な情報共有会を設けました。この会では、サプライヤーの最新情報や市場の動向を共有し、各部門の目線での意見交換を行うことで、業務の効率化と新たなアイディアの創出につながりました。

このように、調達・購買業務が社内の架け橋となり、全員が同じ方向を向いて協力することで、企業全体としての強さを生み出すことができるのです。

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