先週の調達・購買担当者が見るべきニュース(2月3日(土)~2月9日(金))
●人権デューデリ、実施7割 企業の対応強化 契約書に関連条項も
この記事にある「実施7割」は、2024/02/11時点で「本当?」と感じてしまった。日常的にさまざまな企業の調達・購買部門の皆さんとコミュニケーションしていると、どちらかと言えば「まだ手が付いていない」感が高いためだ。誰が誰に調査したのか?を確認すると「企業法務税務・弁護士調査」。なるほど、企業の頭の部分には、人権デューデリジェンスの必要性は7割認識されているのであれば、これだけ報道も増えている中では納得できる記事であった。これからの課題は、企業の現場で人権デューデリジェンスの考え方をどのように実践していくかであろう。
この記事は、日経の地方経済面、中部版に掲載された記事である。立場として「愛知県経営者協会会長」としての発言と報じられているが、発言の主は民間企業の会長である。いよいよ労務費転嫁の波が、いわゆる「民間セクター」に届き始めているあらわれではないだろうか。今年の春闘では、いったいどの程度の賃上げが実現されるのか。今戦々恐々で労使とも横(同業者)や縦(業界、顧客、サプライヤ)に情報網を張って見通しを推しはかっているタイミングだ。賃上げが実現して、節約ムードよりも消費ムードが高まれば、経済の好循環が生まれるかもしれないと思い始めている。今年第一四半期最大の関心事に違いない。
●製造業、稼ぐ力改善 4~12月利益率6.8% 金融危機後最高 値上げ浸透/中国関連は苦戦
この記事で述べられているのは、稼ぐ力=値上げの成功である。もうサプライヤからの値上げ要求「回避」は現実的に難しいだろう。サプライヤからの適切な値上げ要求を受け入れて、タイミングを逃すことなく社内営業部門へ展開し、自社売上でも値上げを獲得する好循環の実現が2023年度~2024年度にかけての業績を決定づけるだろう。営業部門と調達・購買部門で値上げ責任の押し付け合いをしているような企業は、市場からも見放されるはずである。
未来調達研究所株式会社では、こういった情報を週一回、メルマガで発信しています。
【無料】御購読お申し込みはこちらから