見知らぬ人たちと一瞬で仲良くなる2つの方法(坂口孝則)

セミナー講師をやっていると、その場で出会った人たち(受講生)同士を、できるだけ短時間で仲良くする必要があります。単純な自己紹介や、名刺交換でもいいでしょう。たとえば、yahoo.comで「ice break」と検索すると、莫大な数のノウハウが見つかります。異なるバックグラウンドのひとたち同士が触れ合う機会の多い米国などでは、アイスブレイクで心的距離を縮める必要があるのですね。

もちろん日本語でも多くのアイスブレイクが検索できます。そのなかでも、私がやって効果のあった二つをご紹介します。一つ目は「ウソつき自己紹介」です。これは、メンバー同士が自己紹介するときに、3点をあげていただき、そのうち1点を真っ赤なウソにしてもらうものです。

そして、どの一つが嘘だったかをメンバー同士で当ててもらいます。こう書くと、「どこが面白いんだ?」と思われるかもしれません。でも、実際にやるとかなり盛り上げるのですよ。その三つは想像を絶するものがよく、残りの2つは「本当だったんだ」と驚きをもたらします。

たとえば「私は野球少年でイチローから直接指導を受けたこともあります」「社会人になって自己啓発セミナーに500万円つかいました」「今の妻とは出会ったその日に婚姻届を出しました」とかね。これは何かのチームを組む時も使える自己紹介ワザです。

自己紹介のときに必ず「3歳くらいから、いままでの人生経緯を語ってもらう」というものです。詳しくは説明しませんけれども、仲が良いというのは、幼いころの情報を知っていることです。みなさんが思い出してもらって、同僚の幼いころの情報って知っていますか? 知らないですよね。おそらく、妻か夫か恋人のそれしか知らないはずです(ところで作家の村上龍さんはかつて、恋人が自分の幼いころの情報を語っているかで親密度がわかるといいました)。

なぜか人間というのは、相手が幼いころ「どんな経験をしたか」を知るだけで、突然に仲良くなってしまうものなのです。不思議ですよね。でも、こういうノウハウで仲良くなれるんだったら、使わないテはありません。

ちなみに私はこれは交渉事にも使えると思っています。交渉では、すぐさま相手の懐に飛び込む必要があります。そのときに、まず自分の人生経緯をオープンにしてしまうのです。まあたしかに商談机で向かっているときにこんな話をすると「いきなり何を話しだすんだ?」と思われるでしょうが、食事中なら大丈夫でしょう。

ちなみにこのときの私のコツは「今日、お話していて、とてもあなたの優秀さが印象的でした。どんな少年時代をお過ごしだったんですか」と訊くものです。こうやって訊くと、ほんとうにすぐに仲良くなれます。

他にもノウハウはありますので、またおってお話します。

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