トクする話。考えないからバカなのか、バカだから考えないのか(坂口孝則)

先日、確定申告が終わりました。会社員には無縁かもしれません。ただ、私は会社員時代から確定申告を行っていました。経費が控除額以上であれば、正しく申告すると税金が戻ってきます。しかし普通の会社員は自分の管轄税務署の住所すら知りません。私は、これまでずっと自分がバカだと思ってきました。だから、すべてを一つひとつ自分なりに実践して理解するしかありませんでした。

たとえば税金にしても確定申告にしても、それぞれ何なのか知りたいと願いました。先輩たちに訊いても、あまり理解していませんでした。会社にいる秀才たちは、自分があまり理解しないことも周囲にあわせていける才能の持ち主です。会社のなかで労働組合運動も不思議な一つでした。労働組合の交渉といっても、会社と賃金・賞与・ベースアップのことしか話しているように見えませんでした。

これから書くのは私見であり、私は労働組合の歴史的役割をむしろ肯定している者です。

さて、私が新入社員のとき「労働組合は雇用者の職場環境向上のためにある」と聞かされました。ほんとうでしょうか。「もっと机を大きく!」「職場面積を大きく!」「旧型OSではなく、新型OSに入れ替えろ!」などという議題を聞いたことがありません。さらにいえば、労働組合が主張すべきは「源泉徴収をやめろ。自分たちで税金を支払いにいくから」でしょう。

なぜ、こういう根源的な交渉がないのかいつも不思議でした。

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