社内関係者に信頼される方法(坂口孝則)

調達・購買の仕事というのは、大きく社内関係者にたいする「情報提供」と「実施」にわかれます。たとえば、新技術だとか新サプライヤとかを伝えてあげるのが前者。コスト交渉とか、納期フォローとかが後者になります。

ここで考えねばならないのが、後者の「実施」は誰でもやっていることです。そりゃ、実施すらできないひともいますけれど、それは論外。多くは、やるべきことはやっている。ということは、やるべきことをやっても二流ということです。

としたときに、重要となるのが前者の「情報提供」です。自分が業務上で知り得たことをいかに社内に提供できているか。よく、情報を自分で抱えておくことこそ大事だと勘違いしているひとがいます。自分の価値が上がる気がしているのですね。でも、それはありえません。情報を自分だけで抱えてしまうと、逆に自分の価値を下げます。

よく考えてください。有名なひとたちは、誰だって情報を惜しみなく提供しています。むしろ、その利他心によって有名になっているのです。それに自分ごときが得た情報や知識なんてドンドン公開すべきだと思いませんか?

もちろん、これは機密情報のたぐいではありません。ただ、「自分だけが知っている情報」こそ、積極的に発信すべきなのです。方法はいくらでもあります。

・自分が主催して、月に一度、各部門の設計者を招いて情報交換会をしたらどうですか
・毎日、違う社内関係者とランチしてはどうでしょう
・他部門の飲み会に参加させてもらったらどうでしょう
・月に一度、自分なりにレポートをまとめ、勝手に社内関係者に送付してはどうでしょう
・ネタ帳を持ち歩いて、会うひと会うひとに新鮮情報を話してはどうでしょう

など、いくらでも方法はあるはずなのです。

このときに、焦ってはダメです。情報を発信し始めたとき、なかなかみんなからのリアクションがないことに失望します。ただ、そんなの、当たり前なのです。忙しいので、誰も反応しません。とくに、最初の1~5回だけ情報をもらっても、受け流すだけです。なので、多くのひとは、リアクションを受け取る前に情報発信をやめてしまいます。これがもったいない。

「配信し続けること」が重要です。

ただただ配信しつづければ、そのうち「あの内容についてもっと詳しく教えてくれ」「このことについて知らないか」「君と会いたい」「君と仕事がしたい」というひとが集まってくるのです。けれども、そこで、情報発信をやめてはいけません。よく本を一冊出して満足するひとがいます。ネタも考えようとしない。ただ、肝要は、そこで満足せずに、情報発信を続けることです。

ただただひたすら情報発信する。少しリアクションがあったからといって止めてはなりません。この意味で、多くのひとはあまりに成果を性急に求めすぎなのです。反応というのは、そして名誉というのは、じわじわじわじわじわじわと、高まっていきます。途中で止めることなく、その最大成果を享受してください。

なお、私は毎日のように文章を書き続けています。それは22歳のころから、ひたすら続けています。継続は誰も裏切らない、といいますが、まさにそのとおりですね。

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