納期問題をゼロにする方法(坂口孝則)
以前、某社のマネージャーと話していると、めちゃくちゃ驚きました。なんでも「納期フォローをゼロ」にする方法があるというのですよ。納期問題がまったくなくなるなんて恐るべき方法です。それは何なのでしょうか。
それが、さらに驚くことにコロンブスの卵的な方法でした。というのも、「とりあえず可能性があればすべてを発注しておけば良い」らしいからです。本当かよ? と思いました。たしかに盲点です。なぜバイヤー企業が納期遅延を引き起こすか。それは、発注が遅れてしまい、サプライヤの生産能力を発揮しても、その指定納期は事実上困難になてしまうからです。
しかし、とりあえず予定であっても、あるいはフォーキャスト時点であっても、または適当であってもかまわないので、まずは発注しておく。そうすれば納期遅延はなくなるというのです。
いや、そりゃそうかもしれないけれど……。ほんとうにそんな方法で上手くいくのでしょうか。私の疑問は募りました。
それで発注するのは良いのですが、それらが不要になったらどうすれば良いのでしょうか? だってフォーキャストで発注してしまったら、不要な在庫が積み上がってしまう可能性がありますよね。最終的には100個なのに、注文時点では1000個ほどの発注かもしれません。そのケースでは900個がムダになってしまいます。
某マネージャーは簡単に「キャンセルすれば良い」というのです(笑)。そのケースでは900をキャンセルせよ、と。そして「キャンセルできる関係を構築するのがバイヤーの役割でしょう」と。たしかにそうですが、そんなこと可能なのでしょうか。「可能だ」とおっしゃいます。
そのあと話を聞いていくと……。私は驚愕しました。それは簡単にいえば、各ビッグベンダーと人間的関係を構築するだけです。が、これはみなさんと共有すべきと感じました。