たった少しの工夫で調達業務が楽しくなる(坂口孝則)

今回は、珍しく仕事を楽しくするワザについて話します。私は仕事に楽しさは、さほど要らない、とする主義です。しかし、それにしても、仕事を楽しみたいと思うひとも多いでしょう。これから書くことは、いくつかの組織や個人--、それも楽しんで仕事をしている--、を見て思いついたことです。

1.交渉の最後に必ず笑って握手をする
2.迷ったら、やったことのないほうを選ぶ
3.仕事に印象的な名前をつける
4.すべてに感心してみる
5.どの一週間にも「○○強化週間」と呼ぶ

この5つです。

1.交渉の最後に必ず笑って握手をする
人間は、結局のところ物事の最後しか覚えていません。だったら、最後だけでも(わざとでも)笑顔で別れよう、というわけです。実際、日本人で別れ際に握手するひとはなかなかいません。やってみると、この効果に驚きます。

2.迷ったら、やったことのないほうを選ぶ
調達とは保守的な仕事です。どうしても減点主義なので、チャレンジしなくなります。しかし、失敗にはプラス評価を与えるのが正しい姿勢です。迷ったらやったことのないほう、あるいは、難しそうなほうを選ぶ。この簡単な基準が仕事を楽しくします。

3.仕事に印象的な名前をつける
プロジェクトを楽しくするのは意外にも、その名前です。トヨタ自動車をはじめとして、日産自動車もそうですが、「CCC」とか「NRP」といった印象的なネーミングを施してきました。いや、これらの名称だけが成功要因ではないでしょう。でも、うまい名前をつけることができれば、もう成功したようなものです。

4.すべてに感心してみる
調達・購買担当者は、知らないことでも、否定したい衝動にかられます。とくに、他社や他業界の成功事例を聞くと、「ウチにはあてはまらない」とか「ウチは特殊だから」とか言いがちになってしまいます。でも、特殊じゃない会社なんてないんですよね。知らないことは、まずすべて感心して聞いてみる。これが楽しさも醸成します。

5.どの一週間にも「○○強化週間」と呼ぶ
自分が至らない分野を、その一週間の空き時間を使って改善してみる。それを一年間ほど続ければ、誰も追いつけない一流担当者になります。自分なりの強化週間を「習慣」づければ目的意識が芽生えます。目的意識とは、仕事に主体性を持つことです。主体性を持つことは、仕事に積極的にかかわることです。積極的にかかわれば、仕事は自ずと楽しくなります。

繰り返し、私が観察した「仕事を楽しくする流儀」でした。

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