年始の抱負を立てなければ調達・購買は上手くいく(坂口孝則)

今年の抱負は「抱負を立てる時間があるなら、行動しろ」にしようと思います。いや、毎年ほとんど同じことを述べています。私が見る限り、ほとんどの抱負は、すぐさま実行できる内容ばかりで、抱負として掲げることで逆に実現を遠ざけているようです。

ところで会社員時代のこと。お偉いさんが年始の抱負を語り、下々の者に「挑戦の年にしてください」とおっしゃるとき、ご自身が挑戦しているようにはとても見えませんでした。おそらく組織にがんじがらめにされているからでしょう。「このひとのようにはなるまい」と決意しましたので、その意味では役立つ年頭所感だったのでしょう。

また、「さまざまな経験を積みなさい」という助言も同じでした。「はあ、その果てがあなたですか……」と毎回のように思ってしまいました。おそらく、みなさんも同様だと思います。挑戦を続け、経験を重ね、そのなかから極限まで考えぬき、自己鍛錬しているひとは、そんなこといわずとも周囲が尊敬するのでしょうね。

また上司の「なんとかなるから頑張れ」というのも不思議でした。そりゃ、なんとかはなります。「死ぬことはないから頑張れ」も同じでしょう。そりゃ、死なないでしょう。でも、少しでも成果をあげようとか、少しでも結果を残すためにやるわけです。なんとか以上の成果をあげるために考えぬくのが人間ではないでしょうか。

閑話休題。

調達・購買担当者として、私が日々、意識せねばならないのは、抱負を立てることではなく、年始の気持ちを持ち続けることだと思います。

私の好きな言葉に「一日一生」があります。これは文字通り、一日を一生のように過ごせば悔いなき人生が送れるの意味です。

考えてみましょう。

・1月1日だけ気持ちを新たにする調達・購買担当者
・業務開始日だけ年度の目標を立てる調達・購買担当者

これと

・四半期ごとに気持ちを新たにする調達・購買担当者
・毎月気持ちを新たにする調達・購買担当者
・毎日気持ちを新たにする調達・購買担当者
・四半期ごとに目標を立てなおす調達・購買担当者
・毎月目標を立てなおす調達・購買担当者
・毎日目標を立てなおす調達・購買担当者

のどちらが優れた仕事人でしょうか?

と考えるまでもありませんよね。過去の自分を古新聞とし、常に目標を刷新し、自己改革を怠らない調達・購買担当者こそ優れた仕事人です。

私は、「年始の抱負を立てなければ調達・購買は上手くいく」と書きました。もちろんこれは極論ではあります。正確にいうのであれば、「常に抱負をアップデートできれば調達・購買は上手くいく」かもしれません。

ということで、さっそく新年に立てた目標をブラッシュアップしてみませんか。私は実際に年始に考えていた経営手法をさっそく修正しました。よく「三日坊主」といいますけれど、三日やったらかなりのことがわかります。経験値も増えます。抱負や目標として絶対的なものと考えるから苦しいのです。毎日、心機一転すると思えば、なんでも始められます。

そしてこの気持こそが卓越した行動力につながると私は思うのです。私は「ナンバーワンの三日坊主」として今年も精進する気持ちでおります。

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