【必読】給料を上げてくれと上司に頼んだ人の末路(坂口孝則)

以前、非常に興味深い報道がありましした。テスラのイーロン・マスクCEOと、秘書の話です。英語の記事ですが気になった方は検索してみてください。

流れは次のようなものです。

・マスクCEOには12年以上にわたって彼を支える秘書のメアリーさんがいた
・メアリーさんは大変に多忙であり、さらにはビジネス上の意思決定にも関わっていた
・しかしながら給料に不満があったため、彼女はマスクCEOに給料の増額を依頼した

マスクCEOは次の対応をとります。

・まずメアリーさんに2週間ほど休暇を取るように提案
・彼女ぬきで仕事ができないか確認するとした
・するとマスクCEOは彼女がいなくても仕事をまわせる方法を見つけたとして、もう彼女には仕事のポジションがないと宣言した

正直、驚きました。しかし驚く私のほうが古いのかもしれません。まさに自分しか提供できない付加価値がなければ働く場所がなくなる時代です。

なお、冷静につけくわえておきますと、マスクCEOは上記の報道にたいして、完全否定はしていませんが、完全肯定もしていません。もともとアシスタント業務が複雑、かつ高度になったため、彼女の代わりに複数のスペシャリストが必要になった、というものです。さらに、報道には嘘があるともしています。

この手の話は、当事者しかわからない事情もありますし、断言は避けておきます。ですので、マスクCEOのことではなく、この話が象徴することに興味があります。また多くの人たちが、この話に興味をもってしまう事象そのものが、会社員とキャリアについて真剣に考えざるをえない現代を表現しているのではないでしょうか。

つまり年数に関わりなく、ある日、突然に職場を去らねばならないリスクがあるのです。外資系の方は「当たり前じゃん」と思われるでしょうが、その当たり前が純化した話のように感じてしまいます。

しかし結論は凡庸です。

結局のところ、私たちは職場に貢献できるように技能を高めるしかありません。それだけです。そして技能を高めることが、もし職場を去る際にも武器になってくれるでしょう。私は経済学者でも予言者でもありませんので、日本企業の安定雇用がいつまで続くかはわかりません。

調達人材は、ときとして代替がたやすいように思われています。技能がなければ、たしかに代替可能かもしれません。ちょっとテストで社内の関係部門に「私って役に立っていますかね」と訊いてみてください。結果は残酷なものかもしれませんが、安っぽい自己啓発書を読むよりも、はるかに学びを与えてくれるはずです。

私も自問を続けようと思います。

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