サプライヤー戦略(2)100万個の貯金箱-3
・ベンチマークと調達・購買部門の役割
そう考えると、調達・購買部門の違った側面からの役割が見えてくるでしょう。調達・購買部門とは、支出管理役として、株主から預かったお金をムダなく、そして適切に利用しているかをチェックする必要があるのです。そして、毎年コストを下げていく活動とは、市場のなかで、ライバル会社よりも優れた利益を確保できる体質を誇示していくことでもあります。
これまで「ベンチマーク」という言葉が使われてきました。それは多くの場合、自社製品と他社製品を比較することで性能差をあぶりだす活動を指しています。もちろん、これは正しい解釈です。ただ、「ベンチマーク」とは、資本効率をチェックする行為でもあるということを忘れてはいけません。他社は1000円ほどの外部調達品で、1500円もの付加価値を生んでいる。一方、自社は1200円もかかっている。これは、株主のお金を、相対的な意味で、非効率に運用していることにほかなりません。V.A.(Value Annalysis)を考慮するときも同様です。