サプライヤー戦略(2)100万個の貯金箱-2

企業、あるいは会社というとき、多くの場合は株式会社のことを指していますから、さほど支障はないかもしれません。ただ、株式会社とは、文字通り株主が出資しその利益を最大化する目標のためにつくられた団体であることは再度強調してもよいでしょう。反社会的な行為に手を染めないことを当然として、株式会社の社員が株主の利益のために活動することは、当然のことなのです。

では、お金を出す出資者である株主は、その対象をどうやって選ぶのでしょうか。ここで、日本に100万個ほどの貯金箱が存在すると考えてください。その貯金箱の一つは、1万円を入れると、翌年には1万1千円を返してくれます。ただ、もう一つは、1万2千円を返してくれそうです。と思えば、「できそこない」の貯金箱の一つは、8千円しか返してくれません。もちろん、株主がお金を入れるのは、1万2千円を返してくれるものです。

この100万個の貯金箱とは、日本にある株式会社の数としましょう。出資者はその100万個のなかから、よりリターンが大きく、安定した貯金箱を選定します。あなたの会社にするか、それともライバルの会社に出資するか。それは会社の業績が左右します。

なお、上場している企業4000社ほどの株式を買っても、それは出資にはなりません。市場で売買している人同士の金銭のやり取りにすぎないからです。出資とは、たとえば株式会社が新株を発行し実際に会社の資本を増加させることをいいます。

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