サプライヤー戦略(2)100万個の貯金箱-4
よく「安ければそれでよし」とする調達・購買部門の誤謬も理解できるでしょう。調達コストが安いかどうかはかならずしも重要ではありません。「適切」に調達することこそ重要です。100円で5円の付加価値しか生まないものよりも、1000円で100円の付加価値を生みお客によりアピールできるほうが、むしろ株主のお金を効率的に運用していることになります。
「安いか高いかだけではなく、その妥当性を理解せよ」「安いか高いかだけではなく、その調達品を使った最終製品が、お客にとって魅力的なものになるかを見極めろ」――。なるほど、優れた先人たちがいっていたこれらのフレーズは建前ではなく、「金(=利益)さえあれば、縁(=株主)はつながる」市場にいる私たちにとっては、きわめて原理主義的なことだったのです。